第35話 変えられない自分に嫌気が差して
俺のもとに歩み寄ってきた一冊の本。その本は家に置いてあるはずの魔法の書だった。
「どうしてここに……?」
「神崎翔。お前は、力が欲しいのか?」
魔法の書が喋った!?
だが魔法の書ならこの程度のことはできて当たり前なのかもしれない。
「問おう。神崎翔。お前は力が欲しいのか?」
そんなもの、答えは即答だ。
「ああ。俺に力をくれ。何もかもを救える力。大切な人を孤独から解放する力」
「その力があれば、お前は私の願いを叶えてくれるのか?」
願い?
俺はその言葉の真意が分かりはしなかった。でも俺は月島さんを孤独から解放してあげたかった。
「俺がお前の願いを叶えてやる。だから俺に力をくれ」
「いいだろう。だが一度約束をすると言った以上、私の願いはお前の命が懸かっていようとも叶えろ」
「叶えてやるさ。お前の願いも、月島さんの願いも全て。俺が叶えてやる」
俺がそう言うと、魔法の書は光りだした。その光に包まれた後、俺の手の甲には赤い紋章が刻まれていた。
「なあ魔法の書。どんな力を手に入れたんだ?」
「神崎翔。それは魔法の書を見れば分かる」
すると魔法の書はバタンと転がった。
俺は魔法の書を拾い上げ、魔法の書のページをめくっていく。
見ていくと、何も書いていない白紙だったページに文字が刻まれていく。
【魔法No.11
この魔法は使った相手が掛かっている病やケガを完全に治すことができる。
この魔法は生物のみに有効。だがしかし、死んでいる者を生き返らせることは不可能である。】
「この魔法なら……」
俺はようやく月島さんの親を助ける方法を見つけた。
俺はすぐに風呂を出て、すぐに服を着た。その後、病院に向かおうとした。玄関に行こうとすると、月島さんが俺を止めた。
「神崎くん。どこに行くの?」
月島さんが俺の手を掴んで放さない。
「もう……一人にしないでよ……」
月島さんの目には再び涙が溢れていた。
月島さんは知らない。俺が魔法使いだということが。だからごめんね。
「月島さん。ゴメン」
俺は魔法を使い、月島さんを眠らせた。
俺は月島さんを抱えて、布団に優しく眠らせた。
「月島さん。もう一人じゃないよ」
俺は月島さんの両親が入院している病院に向かう。
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