第31話 脱走
俺たちは逃げ出すため、木原さんの作戦通りに動いた。
「
俺は空中に"静寂空間"と指を走らせる。そしてこの一定範囲内の全ての音が消えた。
「
木原さんの手の上に浮いていた
「
俺は檻の外に落ちていた葉っぱを操り、自分達の周囲を囲んだ。
その間にゴムはこの檻の全体を埋め尽くし、檻を破壊しようとしていた。
「爆ぜろ」
その言葉にこだまするかのように、ゴムの膨張に耐えきれなくなった檻は粉々に弾け飛ぶ。
完全に弾けとんだ後、俺は静寂空間を解除する。
「これで第一作戦はクリア。セカンドに移行する」
「了解」
木原さんの指示で、俺たちはこの地獄エリアからの脱走を開始する。
この地獄エリアは全てが石の壁と天井で覆われており、空が見えた瞬間、地獄エリアからの脱走は確定される。だがここは迷路のようになっており、簡単に抜け出すことはできない。
「木原さん。この曲がり角の先から足音が」
俺たちはすぐに動くのを止め、足音の正体が近づくのをゆっくりと待った。
俺と木原さんは魔法の用意をした。
そして足音の主がL字の曲がり角を曲がり、姿を現した瞬間、俺は空中に文字を刻もうとした。だが、足音の主は生徒会長と副会長。
敵か?味方か?
そんな疑心暗鬼の彼らに、木原さんはゆっくりと近づく。
「生徒会長。ならびに副会長。あなたたちは、敵ですか?それとも味方ですか?」
「もちろん味方だ」
だが木原さんが容赦なく
「ぶはっ!?」
大きく後ろに吹き飛ぶ生徒会長。そして壁に激突する。
「木原さん。まだ敵か判明していないのに」
「神崎。よく見てみろ」
言われるがまま、俺は吹き飛ばされた生徒会長を見る。生徒会長の体は消滅していて、さっきまでいたはずなのに姿が見えない。
「ああ。これが目良の魔法。
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