第24話 これが魔法の使い方

 僕の魔法じゃ、生徒会メンバー全員を仕留めるのは難しい。それに、毒川先生の事件で現れた男は魔法使いだ。

 あの男に見られていると、やっぱり体を動かせない。指先だけ動けば……


「神崎翔。終わりだ」


 生徒会メンバーは全員僕たちにペイント銃を向ける。


「生徒会の勝利だ」


書く魔法ライティングマジック魔法No.8 温暖空間ホットエリア


 神崎翔は空中に"温暖空間"と指を走らせる。たちまち空間が急速に温められる。

 急速に温められた空間は、膨張をし、1年1組と生徒会メンバーは膨張により体が吹き飛ぶ。


 まだだ。


書く魔法ライティングマジック魔法No.5 物体浮遊レビテーション


 神崎翔が空間に"物体浮遊"と指を走らせると、1年1組はフワッと浮き、静かに着地するが、生徒会メンバーはグラウンドに倒れこんだ。

 さらにさっきの物体浮遊で、溝に溜まっていた水が浮く。


「生徒会。終わりだ」


 僕たちは浮く水にペイント銃を撃ち込む。浮いている水はペイントで青く染まり、生徒会メンバーを囲む。


「いくら運動神経が良くても、ペイントの雨はかわせないだろ」


「ああ。だがすぐにペイントの雨を降らせないと後悔するぞ」


「後悔?」


 後ろを向くと、背後にはペイント銃で1年1組を倒す木原咲良がいた。だが木原咲良はさっきまで正面にいたはず。

 ペイントの雨に囲まれた生徒会メンバーを見ると、確かにそこには木原咲良がいた。


「魔法使いか」


「正解だ。あれは詠む魔法リーディングマジック魔法No.39 色具現化カラークリエイトで作り上げた偽物だ。雨が降った時は焦ったが、案外バレないものだな」


「ゲームオーバーだ」


 木原咲良は神崎にペイント銃を撃つ。

 そして神崎翔は死んだーー

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