第2話 魔法の書

 朝日がカーテンの隙間から差し込んでいる。寝起きには少し眩しいと思いつつ、布団からでて二階から一階に繋がる階段を降り、一階のリビングへ向かう。


 妹は冷蔵庫を漁っている時、兄の神崎翔に気付き挨拶を交わしてくる。


「おはよう、おにい


 妹の神崎かんざき響花きょうか。中学2年生だ。


「あら今日は早いわね。しょう、ご飯出来てるわよ」


 母の神崎蓮葉れんは。36歳、とても若い。母は父と駆け落ちする間際までいったらしい。

 母は今、父のお弁当を作っている。


「お父さんは?」


「仕事でいろいろあって寝てるから、起こさないでね」


 ーーいろいろか。気になるな。


「トイレ行ってくるか」


 神崎翔は独り言を呟きながら、一人でトイレへ向かう。


 用を足し流そうとしたら、"秘密のボタン"と書いてるボタンを壁に見つけた。


「よく今まで気付かなかったな」


 押そうか迷ってたが、好奇心を掻き立てられ気づけば押していた。

 すると突然壁に通路が現れた。


「期待に胸を膨らませるとはこの事だな」


 とても興奮しながらも薄暗い階段のような通路を下っていく。そして見つけたひとつの部屋。そこに一冊の本が古びた机の上に堂々と置かれていた。

 その本を手に取り読み上げると、こんなことが書かれていた。


【この本にある魔法を記す。

 その魔法は過去に世界を救い、世界中の人を楽しませてきた。時に不治の病を治し、時には悪を成敗したり。この魔法はどの時代でも世界を救ってきた。そんな魔法を君に託そう 。

 その魔法の名は………】


「"書く魔法ライティングマジック"」


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