13 誰かの王国(7)

 


 ”話し合い”のため、榊葉さかきば直哉なおや高橋たかはし一樹かずきが二階に上がった。その入れ違いに、執行部二年・会計の瀬戸せと史信しのぶがやってきた。


 時刻は午後七時前。日の入り直後の世界はまだ明るい。


 そろそろ執行部のメンバーが、各々の活動を終え、緑の館に集まってくる頃合いだった。


 

 分厚いファイルを持った史信は、部屋に入るなり、くるりと室内を見回す。

「……会長は?」

 あいさつもなくだしぬけに尋ねる。


「いま、階上うえに。高橋くんと」

 やんわりと答えたのは荒巻あらまき志津香しづかだ。

「ああ」。史信はすべて飲み込んだような顔をしてうなずいた。

「まだ話すことが?」

「そう。あるみたい」

 志津香が肩をすくめ、史信はやれやれとため息をつく。


 塔子が所在なくコーヒーカップのふちを撫でていると、彼は塔子のななめ向かい、一人掛けのソファに座った。ファイルを机に置き、足を組む。


「会長がいないし、いったん休憩だな」

 腰を落ち着けた史信は、塔子・柊一・良司をあらためて見やった。

「どう、おれのアリバイは証明された?」

 黒縁眼鏡の奥の瞳が細められる。


 入寮式の夜。塔子がトンネル通過をしていたその時間。瀬戸史信は、緑の館にいたと証言している。一年男子のトンネル通過儀式の立ち会いを終え、館で道具の片づけをしていたというのだ。

 しかし、その姿を見た者は、いまのところだれもいない。


 塔子は言葉に詰まったが、ゆっくりと首をふった。

「いえ、まだ」

「なんだ、早く証人を見つけてくれよ」

「そういうこと言うの、あやしいんですよ」

 良司がうろんげに口を挟み、史信がくつくつとわらう。

 塔子のとなりで柊一がじっと黙っている。


 瀬戸史信はじつにふしぎな人物である。

 笑顔のときとそうでないときの雰囲気の落差が激しい。いまのように笑っていれば、さわやかな好青年だが、真顔になるとずいぶん冷淡に映る。

 塔子が最初に緑の館ここで彼と出会ったときは、つめたくて怖い人だと感じた。その後、話をするうちに、彼の印象は好いものに変わっていったが、いまだにその性格はつかめない。

 つめたそうに見えるのは、切れ長の一重の瞳と薄いくちびるのせいかもしれない――と考えて塔子は隣人を盗み見た。


 鷹宮たかみや柊一しゅういち

 彼と瀬戸史信は従兄弟いとこだ。顔のつくりが、表情さえも、やはり似ている。



「ところで、副会長」


 史信が目をあげ、志津香を見た。

「なあに」

三人いちねんせいは知っているんですか。――会長と高橋さんが、階上うえで何を話しているか」

 志津香が黙りこんだ。

 史信はしばしそんな彼女を見つめ、一拍置いて、塔子に顔を向けた。


「――あのね」

「直哉たちがいないのに話すの?」

「いけませんか?」

「……そんなことはないけど」

 志津香がため息をついて、ソファに腰かける。あきらめたように眉根をさげる。

 塔子ら一年生は、きょとんとして史信を見つめた。


「あのね」

 史信がこちらを向いて身を乗り出す。


「榊葉会長と、クラブ連合会総長・高橋さんはいま、“ここにいないひとたち”のために話し合いをしている」


「ここにいないひとたち……?」

 塔子がつぶやくと、彼は大きくうなずく。


のことさ」



 ――学園ここにいないけれど、学園ここに関わる“おとなたち”のために話し合いをしている。



「それはたとえば、PTAや、学園の卒業生――OB・OGが組織する後援会に同窓会……。そこに所属するおとなたちのことだ」

 塔子は閉口した。

「……話し合いとは?」

 代わりにたずねたのは柊一だった。


「――おれたちは学校の経済活動の一端を任されている。それは自覚しているよね?」

 史信が塔子ら一年生を見回す。


 緑風会執行部は、学園の資金の一部――おもにクラブ活動費を管理している。


 毎年予算案をつくり、生徒総会で決議し、予算案それにもとづいた活動費を各クラブにふり分ける。

 この資金をつかって各クラブは一年活動するから、クラブ活動費のふり分けや管理は、責任の重い仕事だ。


 けっして少額ではない資金のやりくりを、緑風会執行部は任されている。


 塔子はあいまいにうなずいた。


「この学園の理念は“自主自律”――。学園は生徒おれたちに、大きな自由と権限を与えている。“生徒の、生徒による、生徒のための自治活動”を奨励しょうれいしているんだ。――大正期から変わらない、学園の気風だ」


 良司が姿勢を正した。塔子は浅くあいづちを打つ。


「――でも、ね」

 史信が口の端をあげる。


 ――近代に入って、この学園は変わったんだよね。


「PTAや、学園のOB・OGが組織する後援会、同窓会。学園ここにいないけれど、学園ここに関わるおとなたち――。彼らは、この名門である松風館高校を、とても誇りに思っている。だから、学園やクラブのためにさまざまな支援をしているんだ。寄付、とかね」


 目を瞬く塔子に、史信がわらってみせる。


「たとえば野球部。松風館うちの野球部は、歴史あるクラブのひとつだ。かつては甲子園出場の常連で、プロ選手も輩出している」

「そうだったんですか」

 意外そうに良司が声をあげた。

「そう。驚くだろ? なにせいまや鳴かず飛ばず。部員も少なく、県大会でも初戦敗退するレベルだからな。――でもね」


 野球部は、専用のトレーニングジムをそなえた単独の部室棟を与えられている。グラウンドも夜間練習ができるよう、巨大な照明が取り付けられ、ピッチングマシンをはじめ、練習に使用する物品はぜいたくにそろえられている。備品はなにもかも清潔で真新しい。何不自由なく練習に打ち込める環境が整えられている。


「それもこれも、野球部には、代々のOBが組織する独自の大きな後援会があるからなんだ。毎年、後援会は部に多額の寄付をしている。だから野球部の資金はいつもうるおっている。……ほかのクラブからするとうらやましい限りだ」


 これには良司がつよく首肯した。そう思っていたらしい。


「“支援”っていうのはこういうこと。ありがたいだろ?」

 塔子は素直にうなずいた。史信がまた笑む。

「いいよね、野球部は安泰あんたいだ。じつは学園から活動費をもらわなくても、十分にやっていけるんだ」

「ずるいなあ」

 良司が口をとがらせる。

「そうだよねえ」

 史信が思わせぶりに目をあげた。

 ――だからさ。


「こんなに強力な資金源があるんだ。野球部に関しては、学園から出す活動費は少なくしてもいいんじゃないか、って思わないか」

「そうそう」と良司。

「そのぶん、ほかのクラブに活動費を多く割りあてたらいい」


 学園の、クラブ活動費全体の予算額は、あらかじめ決まっている。

 その決められた予算額のなかで、各クラブにどれだけの資金を割りあてていくのか。それを考えるのが執行部の仕事だ。


 塔子も良司も、仕事をするなかで、こういった分配についての考え方を飲み込みはじめたところだった。


「ですね」

 柊一も慎重に同意した。

「とくに、支援にめぐまれないクラブに、そのぶんの活動費を割りあてるのがいい」

「……篠崎さんは?」

 史信に視線を向けられたので、塔子はこっくりとうなずいてみせた。

「わたしも、そう思います」



 ――だよねえ。史信が口角をあげた。



「では――いまつくっている、今年度のクラブ予算案を思い出してみて。野球部の活動費は、いくらだったでしょう?」



 野球部の活動費?



 塔子が首をかしげると、となりで息をのむ気配がした。柊一だ。

 怪訝けげんに思っていると、史信が淡々と、机に置いたファイルから紙を一枚取りだした。こちらに差し出す。

 作成中の予算案だ。

 塔子は野球部のらんを目でたどり、金額を確認してハタと気づいた。



 今年度のクラブ予算案。

 野球部の活動費は――すべてのクラブのなかでも、最高額だ。



「なんで?」

 良司も読み取って声をあげた。


 野球部には大きな後援会があり、多額の支援金が得られる。じゅうぶんな資金があるのに、なぜこんなに多くの活動費を割りあてているのか。


 史信が塔子を見た。

「じつは、野球部OBの後援会はね、学園にも多額の寄付をしている。学園全体に貢献している、とてもつよい力をもった“おとなたち”なんだ」



 おとなたち。



「これって、なんて言えばいいのかな。そうだな……。って言えばいいのかな」

「えっと……?」

 話についていけない良司に、史信がふりむく。


「野球部の活動費を最高額にする理由さ。それは、野球部後援会の“おとなたち”への、一種のアピールなんだよね。学園は、野球部を大切に思っていますよ、という意思表示」


「はあ?」


「たとえば、坂本だったらどう思う? きみが陸上部に思い入れて、たくさんの寄付をしたとするだろ。そのうえ学園にもせっせとカネを積んだ。それなのに、学園側が陸上部の活動費を削ったら、なんだか部や自分がないがしろにされた気がしないか。せっかく、陸上部が充実するよう支援をしたのに、ひどいじゃないか。恩義を感じないのかって、思わないか」


「いや、思いませんけど……」

 くく、と史信がわらった。

「まあ、きみはそうかもしれないな……。でも、思う人もいるんだよね」


 たぶん、きみたちが思うより、ずっとたくさん。


「実際、以前に学園は野球部の活動費を削ったことがある。すると、野球部後援会が、すかさず学園に抗議したんだ。“なぜ、が支援している野球部をないがしろにするのか”って、苦情を言いに来た。――そこからさ」


 史信は感情を声にのせなかった。


「以降、学園は対応を変えることになった。そういった人たち――学園に多大なる貢献をした人――に、この学園はできるだけをしめすようにしたんだ」

「誠意?」

 史信は良司にうなずいた。


「“ご支援に感謝します”。“お心をたしかに頂戴ちょうだいしました”。そう、つたえるために。学園側は野球部の活動費を、各クラブのなかでも最高額にした。――は金額ではかることができる。学園が、野球部をどのくらい大切にしているのかは、活動費の金額で知れる。むろん、活動費が高額であればあるほど、大切にしているとつたわるから」



 ――その学園の対応によって、野球部後援会は溜飲りゅういんをさげた。以来、後援会は、よりいっそう学園を支援するようになった。



「そのほかにも、学園はいろんなかたちで“誠意”をしめしているけど、これはその一環いっかん。そして現在もおこなわれている」



「――それだけ? それだけのため?」

 良司がすかさずみついた。


「最近の野球部の戦績は散々だって、さっき先輩もそう言ったでしょう。いまや鳴かず飛ばず。部員も少なく、県大会でも初戦敗退するレベルだって。――がんばって実績をのばして、活躍しているクラブはほかにいっぱいある。なのに、そういうクラブへ資金を注がず、“野球部後援会おとなたちに誠意をしめす”ためだけに、野球部にカネを積むんですか?」


「……ひらたく言えば、そう」

「ありえない」

「ありえない?」

「ひいきですよ、それ」

「そうさ、ひいきさ」

 史信の声は素早く、しかし静かだった。

「ひいきもひいき、特別扱いもいいとこだ」


 ――でもさ。


「そうして、力あるおとなたちの顔を立てれば、クラブ活動費なんて目じゃない――もっと大きな利益が得られるんだから。そう思えば、安いものだ」


 部屋が静まる。


「カネの使いみちは“消費”するばかりじゃない。こんな風に、意思表示にも使うことができる。……いろんな事情を汲んで、予算案はつくられているんだよ」


 塔子は眉をひそめた。良司も言葉をなくしている。

 柊一は押し黙ったままだ。


「そして」

 身を乗り出し、史信が三人を見回す。

「ショックを受けているきみたちには悪いかもしれないけど――」


 ――そのようにクラブ予算を立てているのは、ほかでもない。



緑風会執行部おれたちなんだ」



 ヒヤリとして、塔子は両手をにぎりこんだ。ひどい違和感を覚えた。


 史信は息を吐いた。

「――いつの頃からだろうか」


 緑風会執行部は、そういったを汲んで、活動するようになった。

 学校の外にいる、おとなたちの顔色をうかがうようになった。


「いま、階上うえで榊葉会長と高橋さんがなにをしているのか。それは、“学園ここにいないけれど、学園ここに関わるおとなたちのために話し合いをしている”、と最初に言ったよね」

 彼が塔子を見る。


「高橋さんはクラブ連合会総長として、各クラブの――主に後ろ盾のないクラブの――代弁者をつとめている。榊葉会長は学園側と生徒とのつなぎ役だ。

 ふたりはまず、について情報共有している。榊葉会長が高橋さんに、執行部おれたちが立てたクラブ予算案――学園の事情を汲んで立てたものだ――を見せるんだ。高橋さんはそれを見て、現在の状況を把握する。学園に関わるおとなたちの動向――パワーバランスを確認するんだね」


 史信の目つきが変わる。塔子から、柊一、良司へと、見回す。


「この予算案にもとづいて、各クラブの代弁者である高橋さんは、榊葉会長に交渉をはじめる。おとなたちのも、クラブ側の要望をすこしでも反映できるように。クラブ予算の調整を要求するんだ。

 支援にめぐまれないクラブを救済できるように。活躍しているクラブが、その実績に見合った正当な活動費ほうしゅうを得られるように――ね。その求めを受けて、榊葉会長が、可能な限り予算額を微調整する。それを高橋さんが確認する。両者が納得する――あるいは妥協できるまでそれを続ける」



 ――これが、階上うえで行われていることだ。


 塔子はくちびるを引き結んだ。



「――こうして最終調整した予算案を、生徒総会に提出しているんだ。……一般の生徒たちは、“学園の事情”なんてものは、もちろんくわしくは知らないよ。だから、野球部の活動費が最高額であることに、不満をもつクラブもいる。でも、執行部が提出した予算案が否決されることはない。ちゃんと決議される」

「なぜ」

「それが高橋さんの力だ」

 柊一に、きっぱりと史信は言った。


「”高橋さんが交渉し、調整した予算案だから“だ。各クラブは、高橋さんの能力を評価している。高橋さんが交渉したのならば、一見不公平な予算配分でも、”そうと決めたのには理由がある“と、聞き分けるんだ。クラブ連合会総長は、そういう存在でなくてはならないんだ」


 史信が眼鏡を深くかけ直す。


「――クラブ連合会総長は、その肩に学園の全クラブの信頼を背負って、この話し合いにのぞんでいる。緑風会会長は、それらクラブを含むすべての生徒の長だ。総長の意見をかんがみながら、学園に関わる不利益をこうむらない道をさぐる。――そういう話し合いだ」


 そう、


「――普通の学校は、こんな話し合いなんかしない。必要がない。“生徒じぶんたちが生徒じぶんたちのために”、活動をすればいいだけだから。

 でも、この学園はちがう。 “生徒じぶん”たちだけじゃなく、“学園ここに関わるおとなたち”のためを、考える必要がある。この学園の外にいるひとたちのために、話し合う必要がある。――榊葉会長と高橋さんは、いままさに、をしている」


 史信は塔子をじっと見据えた。


「そしておれたちも――そこに加担している」



 唖然とした沈黙が流れた。

 まず身じろぎしたのは荒巻志津香だった。居心地が悪そうに、横髪をかきあげる。

 柊一はもちろんのこと、良司さえも黙り込んでいた。



 ――おとなたちの顔をたてる? 学園の事情?

 塔子はめまいを覚えた。



 史信の言うことが本当ならば、いままで聞かされていたことはいったい何だったのだろうか。


 高潔な理想。

 自由の風が吹く学園――。


「それじゃあ、まるで……汚いおとながやっていることみたいだ」

 良司がやっとぽつりとつぶやく。

 史信が口の端でわらった。――ねえ。



「こういうこと、きっと社会に出たら、だれもが多少なりとも経験することだと思うんだ。たぶんそう遠くない未来に、きっと」



 塔子は史信を見返した。


「だからって、肯定しているわけではないよ」

 史信がわらう。今度はずっとやさしい笑みだった。


「いつからか、学園は変わった。をさらけだし、そしてそれを汲んだ働きを、おれたちに要求するようになった。この学園はとても変だ。どこからねじれてしまったのか、いまとなってはわからない。

 でもね。近代の緑風会執行部員たちは、この役を受け入れた。そして、やりおおせた。だからいまがある。おれたちは学園に信頼されている。この実績があるから、もしかして優遇されているのかもしれない」


 敷き詰められた絨毯、革張りのソファ。湯気の立つ、繊細な花柄のティーカップ。上品な家具調度たち。――緑の館。

 執行部が“館の住人”になれたのは――生徒のための、純粋な自治活動の功績だけではなかったのかもしれない。


 塔子は小さく息をついた。

 ひどい裏切りにあった気分だった。

 清廉潔白せいれんけっぱくな学園。緑風会。榊葉の話を聞き、そんなイメージを持っていた。けれど現実はまったくちがっていたのだ。



 ――じゃあ、は何? 



 塔子は動きをとめた。



「きみも気付いたはずだ」

 目を上げれば、史信としっかり目が合う。

「じつはおれたちは、まったく矛盾したことをしているって」

 そうだ、と良司が声をあげた。



 ――獅子をめぐる伝統。

 あれは、いったい何なのだろう?



 塔子はしぜんと天井を見つめていた。

 獅子をめぐる伝統を誇らしく語ったのは、ほかでもない、階上うえにいる榊葉だ。



 ――ここは緑深き王国である。松高生の、松高生による、松高生のためだけの王国。学生のなかから選ばれた偉大なる王“獅子”が、国をおさめ、民を良き方向へ導いている――。



 彼はそう言っていたではないか。

 そして、伝統を見守る“審判”として、強い意志をもち、塔子を学園の王――獅子に据えようとしているではないか。


 けれど一方で、彼は校内政治にかかわり、おとなたちの機嫌をとろうとしている。



 現実と非現実との、大いなる矛盾。

 この状況は、いったいどういうことか。



 史信は微笑んだ。

「さて問題です」






 ここはいったいだれの王国でしょう?





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