第142話
「バックパックの容量は中々決まらなくてねえ……結局その階層の敵が数体入るぐらいに落ち着いたんだよ」
「それ無茶苦茶ありがたいですね。今まで素材とれずにほぼ放置してましたし」
アマツも色々と苦労していたらしい。
確かに難しいところだよね。バックパック容量がいっぱい増えれば素材は大量に持ち帰れる……でも牛さんとか余りにも大量に持ち帰ると、畜産農家の影響デカすぎる気がするし。
でかいダンジョンならトラックとか入っちゃうしね。
個人が持てる分にはこれぐらいが丁度良いのかも知れない。
あ、そうそう。でかいダンジョンだけど、ゲートキーパー倒しても階段が出現するんじゃなくて、緩いスロープが出て来るんだそうだ。
それでトラックとかも移動できる様になっているらしいよ。
中ぐらいのダンジョンは道はそれなりに広いけど、階段らしいので……運搬用の乗り物をどこかで開発して貰うことになるんじゃないかな?
家のは……一応アマツの手によって入り口が整備されて、もう腹這いにならなくても入れるようにはなっている。
でも運搬用の乗り物が入るか?と言われるとちょっと無理な気がする。
だって狭いんだもん。
小さいのは入るだろうけど、それあんま意味ないし。
と、そんな感じで俺がじみーに喜んでいると、アマツはウンウンと嬉しそうに頷き、続きを話し始めた。
ニュースはバックパックだけじゃなかったのね。
「あとは装備の強さを数値化だけど……もうちょっとで実装できそうだよ。あとついでにステータスも」
「おぉぉぉ……」
ついにきたかっ。
てかステータスもか、頑張ってるなアマツ。
「その手のあった方が食いつきやすいだろう……って事で頑張ってみたよ。本当にざっくりしたステータスだけどね」
「あった方がとっつき易くなるでしょうねえ……俺も見るの楽しみです」
まじで楽しみだ。
かなり人外じみた強さになっていると自覚はあるけど、どれぐらい強くなったかと数値で見られるのは嬉しい。
装備の強さも見たかったけど、ステータス見られるならそっちも見たい。
「それじゃ私は作業に戻るよ。島津くんも頑張ってね!」
そう言って手を振りながら消えていくアマツ。
俺も手を振りそれを見送ると……ぱんっと手を合わせる。
「……おっし、詰め込みますかー!今日のお昼はドラゴンだ!」
色々と嬉しいニュースがあったので、やる気がむっちゃわいてきた。
とりあえずはドラゴンの素材を回収して、装備を改造しよう。
そのあとはお昼ご飯かな。材料はもちろんドラゴンだ!
あいつも4足なんだしきっと美味しいに違いない。
「おしおし、全部入ったぞ……隊員さんにも声かけて、首相とかはさすがに誘うわけにもいかんよね」
バックパックの入り口がドラゴンの体に対して小さすぎたけど……なんかしゅるしゅるって入っていった。
入り口より大きい物は入らなかった気がしたけど、そこも何とかしてくれたっぽい。
アマツまじぐっじょぶ。
んでお昼だけど俺とクロだけじゃなくて、隊員さん達も誘うと思っている。
怪我治ったし、快気祝いも兼ねてね。
首相たちには悪いけど、今回は声掛けないでおこう……いや、堅苦しくなりそうだし。
向こうは気にしないかもだけど、一応こっちは気にしちゃうしねー。
「今日のお昼ご一緒しませんかー?っと」
ぽちっと送信……そして程なくして返信あり。
全員参加するとな。よっしよっし。
早速準備するか。
「マーシー素材になるものを残して料理作ってもらってもいい?出来るだけ色々な部位食べたいなー」
「畏まりました」
準備といっても全部マーシーに丸投げなんですけどねっ。
まあドラゴンのお肉の扱い方とか知らんし、マーシーに任せるのが確実なんだよね。
お肉を任せている間に装備の改造をしてしまおう。
「クロも改造しようねー」
俺の言葉を聞いて、肩に飛び乗るクロ。
機嫌が良いのかゴロゴロと喉を鳴らす音が聞こえる。
「クロも楽しみにしてたのかな」
よしよしと頭を撫で、端末をぽちぽちと操作する。
装備の改造欄を見ると、どうやら装備によって必要な素材が異なるようだ。
あとポイントくっそ高い。
俺とクロはあほ見たいに狩りまくってるから、ポイントかなり余っているけど……それでも全箇所改造したら8割ぐらいポイントが吹っ飛ぶ。
色々と試そうかなと思ったけどポイントに余裕が出来ないと無理だな。
恐らくドラゴンがかなり高ポイントになると思うから、しばらくはドラゴン狩りまくるしかないかな。
「よっし、完了っと」
まあポイントごっそり減ったけど、改造は無事に出来たよ。
クロのほうも完了だ。
「見た目変わったね……竜化した時みたいだ」
ドラゴンの素材を使って改造したからか、装備の見た目がドラゴンっぽくなった。
竜化した時とよく似ている……どうもアクセサリーは対象外らしく、耳と尻尾はそのままだけど。
見慣れてないから違和感が凄いなあ。
まあ、その内慣れるか。
耳と尻尾が違和感あるだけで格好良いしね。
「あ、これ口開くぞ」
個人的にちょっと嬉しかったのが、フェイスガードの口元が顎みたいになっていて、開閉できたことかな。
これでブレス吐くときに一々取り外さなくて良くなる。
うん、中々良いんじゃないかなー?
「クロも気に入ったみたいね」
クロの装備も全体的に変化している。
こっちもドラゴンっぽい装備だけど、デフォルメ効いててどっちかと言うと可愛い感じではある。
装備の上に転がって、ゴロゴロいってるからかなり気に入ってると思う。
アマツまじぐっじょぶ。
「ここからさらに竜化したらどうなるのかなー……たぶんさらに変化するんだろうけど」
気になったのは竜化したらどうなるのかなってとこだ。
単に竜化しただけでかなり装備に変化があったし、改造した上で竜化すると……どうなるのかな。
「あ、お疲れ様ですー」
「……待たせたな」
なんて考えていたら隊員さん達が広場にやってきた。
俺の姿を見て一瞬ビクリとしたが、すぐに何事もなかったかのように挨拶してきた。
まあ、竜……と言うか竜人?龍人?っぽいのがいきなり居たらビビるよね、普通。
「シャワーとかはもう浴びてきました?」
「ああ、済ませてきた」
綺麗になっているし、そうだろうなーと思ったけど、一応確認ね。
ま、準備ばっちりってことせ早速始めるとしよう。
「それじゃーさっそく始めましょうか。マーシーお願いー!」
マーシー指示を出すと様々な料理が運ばれてくる。
……ドラゴンのお肉といっても見た目がそこまで変わる訳では無く、ぱっと見は牛さん料理と区別は付かないだろう。
ぱっと見は。
よくよく見ると、どう見ても牛の体では無い部位が含まれていたりする。
あの足を煮込んだ奴とかもろにそうだね。まず肉塊の大きさが違うし、指先まで含まれていたりする。ちょっと見た目グロいな!
「え……これ……」
隊員さん達も気付く人は気付いたらしい。
何人かがぎょっとした表情を浮かべている。
逃がさないよ。
「どうぞ、ドラゴンのお肉です」
さて、どーなるかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます