第3話 橋本叶奈
次は黒髪の女の子。
橋本
美月の友達。
―橋本叶奈の心―
私はアニメと漫画が好き。時々作品の世界と現実世界の区別がつかなくなる位にのめり込む。
本当は自分でも漫画を描いてみたいけれども絵が描けないので、会社員をしてオタク活動の資金稼ぎをしている。
空き時間はSNSで好きなアニメ作品の単語検索をしている。
色んな意見が面白いし、新しい情報も知れるから。
いつだったか、同じ県の人を発見した。
同じ県で同じアニメが好きだなんて、何処かですれ違ってたりして。
そんな軽い気持ちで見ていた。
けれども、何だか引っかかる。
「この呟き方……誰かに似ている?」
気になったので、そのアカウントを毎日チェックしていた。
ある日、そのアカウントに自撮り写真がアップされた。
顔は隠されていたが、ファッションを見て美月だと気付いた。
この間私と行ったカフェのスイーツの写真もアップされていた。
新しいアカウントなんて、SNSでお知らせしてないよね?
TLを遡ると、友人の結婚・妊娠報告が辛いと綴っていた。
私だと思われる『友人のガチヲタが羨ましい』とも書かれていた。
プロフィールを読むと【本音アカウント】と書かれていた。
本音を盗み見ている罪悪感と、本人に云い出せないもやもや……。
けれども心配でTLを見てしまう。
何も出来ないまま、毎日が過ぎてゆく。
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