〇〇の部屋
いとう縁凛
01「優しい」
柔らかい日の光が差し込む。換気のために開けられた窓からは、穏やかな風が吹き込んでいる。さわさわと揺れる観葉植物の葉は濃い緑色。白い鉢には、黒や赤でぐるぐると何かが描かれている。
レモン色の壁には、「ち」が「さ」になり、「す」の向きが逆になってしまっている似顔絵。「おねえちゃんだいすき」と、にこにこと笑っている女の子が描かれていた。
『アロマテラピー』『おりがみ』『わかりやすい数学』など並ぶ本棚には、折り紙を入れた箱や双子の弟妹が映る写真が飾られている。
楕円形のもこもこラグの奥にはベッド。栞が挟まれた『立体的な折り紙の作り方』と書かれた本が枕元に置かれている。本の近くには、よれよれになってしまった折り紙。
――ここはきっと、【優しいお姉ちゃん】の部屋。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます