記憶力とハイドスライム
カナデとソラナはどんどん進んでいくと、スライムが型どられた扉の前に到達した。
「ねぇ、カナデこれ…」
「うん。ボスだね。ソラナ!スキル使える?」
「うん。バッチリ!」
「じゃあ大丈夫だね。よし!行こう!」
カナデがそう言うと、ソラナが扉を開いた。
中に入るが、何もいない。
「え?何もいないよ。」
「いや、多分いる。」
ソラナの予想通り、カナデに向かって何か・・が攻撃をしてくる。
「うわっ!なんか当たった…?」
そう言ったと思うと、カナデがその場に倒れ込んだ。麻痺だ。
「うぅ…動け…ない…」
そう言うとカナデがぐでぇ〜っと伸びた。
「カナデ!大丈夫?」
しかしカナデは答えない。
「これは…一人でやるしかないみたいだね…」
ソラナが覚悟を決めると、
「索敵!」スキルを発動した。
索敵を発動したソラナには、ボスの姿が見えるようになる。
「やっぱり姿、隠してたんだ。」
そう。このボスは、ハイドスライム。
透明な状態で隠れながらプレイヤーに攻撃をし、麻痺にしてくる厄介なボスだ。
しかし、姿が見えてしまえばどうってことは無い。
そう甘く見ていたのだ。
「あんた。もう逃げ場はないよ!」
そう言うとソラナがスライムに向かって攻撃を放つ。
「
しかし、スライムの体力は減らない。
「なんで…!?確かに手応えはあるのに…」
そう言っているソラナに、スライムからの攻撃が来る。
「…!?速い!?速度が上がっている!」
「でも…私にはまだ遅い!」
まだ余裕を持ってソラナが攻撃を避ける。
すると、ソラナの目に何かが入る。
「…!そうか…あのスライムたちが回復魔法を放ってたんだ…なら!」
「
だが、「キリがない…多すぎる!」
ソラナが諦めかけていると、上からたくさんの光の刃が降り注ぐ。
「!?なんで…もしかして!」
そう言うと、ソラナがカナデの方を見ると、オットーが光を放っていた。
「やっぱり!ありがとうオットー!」
「ミュ〜!」オットーに感謝を伝えると、ハイドスライムに向かって行く。
既にオットーが奥にいたスライム達を全て葬り去ってしまったので、ハイドスライムにはあとが無い。
「これで…終わりだ!獣拳・大龍撃!!」
するとソラナの拳に龍の気が纏われ、地響きがする程の一撃が入る。
「ドスッ!!」
と、とても大きく鈍い音がするとハイドスライムが光に変わる。
「やったぁ!!倒した!
君のおかげだよ。オットー、本当にありがとう!」
そう言われたオットーは、嬉しそうにソラナを見つめる。
すると、カナデが麻痺から解放される。
「あ、ありがとう。ソラナ、オットー。
まさかオットーがこんなに強いと思わなかったよ!」
そりゃボスだからね。と言いかけたソラナの目に信じられないものが映る。
「え!?もうLv34!?すごい経験値入ったね、
オットー…」
まあ当然と言えば当然なのだ。だって大量のスライムを全て葬り去ったのだから。
そしてオットーが新たなスキルを解放する。
【オットーは超波動砲を解放しました。】
「ちょ、超波動砲!?なんか強そう…」
「まあさっきの光の刃も凄かったけどね…」
2人がそんな事を話していると、ソラナも新たなスキルを入手する。
【新スキル:インビジブルソードを入手しました】
「インビジブルソードって…もしかしてさっきのスライムみたいに打てるのかな?」
「多分ね…なんか私もとんでもないものを入手した気がする。」
こうしてオットー、ソラナの活躍により、スライム=キングダムは陥落したのだった。
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