記憶力と街中で

しばらくすると、カナデが街に帰ってきた。

するとカナデはやっと戻ったらしく、「あー怖かったな〜!もう行きたくないよ〜」と言っているが、多分モンスターからしてもあのようなプレイヤーはお断りだろう。

「それにしてもこの腕輪便利だな〜素材がいっぱい落ちるもんね!経験値も大量大量!」


あの状態のカナデに切り刻まれたモンスターたちが少し浮かばれない気がするが、それにしても推奨 レベルが65のクエストをカナデがよくやったと思うだろう。他のプレイヤーならシャドウスライムすら倒せずにバタンキューしてしまう。

それだけカナデは敵に回すと怖いということだ。

少し歩くとカナデはあの道具屋にやってきた。

「すみませーーーん!持ってきましたよーー!」

とカナデがいうと、

「おお!本当に持ってくるとはやるなぁあんちゃん!気に入ったぜ!俺も良い物作るからよ明日の朝になったらまた来てくれ。その時に渡してやるよ。」


この世界の1日というのは、現実で言うところの3時間である。その為、カナデは3時間やることが無いのだ。

「うーん…何しようかな…そうだ!くじでも引きに行こう!」


この世界にもクジ引きがあり、大当たりが出たら特殊なスキルやアイテムが手に入るらしい。ただ、この世界にもくじ引きの闇はあり、商人NPCによっても当たり外れがあるらしい。


「いらっしゃい!いいアイテム揃えてるよ!」

そう聞こえてきたカナデは、そこでくじを引くことにする。

「あのー…1回いくらですか?」

「500マイルだ。」

「じゃあ…あと中身いくつくらいですか?」

「えっ!?50枚位だ。」

「じゃあ…全部買います!!」

「へ?今なんと…?」

「だ、か、ら、ぜ、ん、ぶ、か、い、ま、す!!」

店主は困惑した。何故だ?全部買う?そんな金あるならもっといい武器を確実に買えるじゃないか。


そう。25000マイルもあれば上から二つほどしたの十分いい装備は買えるのだ。普通は・・・そんな事はしない。彼女だからできるのだ。


「お、おう…分かった…もうクジは引かなくていいから中身全部やるよ…」

「わあ!ありがとうございます!」

こうしてまた別の意味で街中を賑わせたのだった。

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