独裁者の憂鬱。【パイロット版】

@comsick_

某国にて、独裁政権、爆誕。

「何だ、前職の首相の安っぽい政治は?選挙にも行かないくせに、文句だけは人一倍の愚民どもに支持されてたくせに、仲間内に利益供与して下ろされたってのは、愚民の大衆以下じゃないか」と、首相の高部は閣僚たちに問う。副大臣と財務大臣を兼任している大麻が「まあ、独裁体制を整えてくれたのは前政権。我々はやるべきことをスムーズにすることができます。特に、今は非常事態ですから」と言葉を返す。


4.971兆ドルという、世界第三位のGDPを誇るとある国。その国は、「自分の国の、株式を1年6兆円買い上げる」という世界的に見て非常識的な金融緩和を断行。資産家階級の利益を拡大し、貧富の差を大きく広げる政策をとった。不思議だったのは、その“貧しくなった人々”からの支持を受け、長期政権につながったということだ。多少の賢さを持っている人間であれば、まずその安い首相にBETはしない。しかし、その国では、“いよいよヤバい状況”となってからも、参議院選挙の投票率は50%。程度の低い国民性だったからこそ、愚かな政策を断行する安い首相が支持され、その安い首相もやりやすかったのだろう。ただ。長期政権の終わりはあっけなかった。「独裁」を許す法案を通した後に、非常事態が起こり、第一次の時と同じく、見事に「うっちゃり」を決め、逃げ出したのだった。


──その後に誕生したのが、高部首相である。

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