第202話エメラルド王妃達の変化(改)

フランシス達を見送ったエメラルドは、ホルンにある別邸に戻り王女達を部屋に呼んだ。


「お母様シェリルです。お呼びと聞き伺いました、ミシェルも一緒です」



「入りなさい!」


王女達二人は部屋に入るとエメラルドに尋ねられる


「確認したいことがあって呼びました。そこに座りなさい」


エメラルドはテーブルの反対側に娘達を座らせる。

王女達が着席するとてきぱきとメイド達がお茶を入れる。

エメラルドはお茶を、一口飲み後はメイド達を下がらせる


「貴方達は下がりなさい!」


メイド達が部屋を出るのを確認すると、エメラルドは娘達に話しかける


「シェリル、ミシェル体調はどうかしら?」



二人は嬉しそうに答える


「シェリルは、あの日から凄く体調が良くてちょっと不思議な感じがします」


「ミシェルもです、お母様助けてもらった日から凄く身体が軽く感じるのです」


エメラルドは自身の身体に起きてる異変に気づき娘達にも確認した。


どうやら娘たちにも同じことが起こってるみたいだった。

魔道具に詳しい者の調べによると、強力な闇魔術具を解除するには、魔術具の所有者による解除か、強力な聖属性魔法で上書きするしか方法がないと、確かあの時大神官でも解呪できないと言ってたわね。


確か神官クラス少数ですが聖属性魔法はLV.6~8の上級聖属性魔法が使えると聞いています。

あの時魔道具を持った者は解呪できる奴はいないと・・・


これはたぶん間違いないわね。


私は娘たちにもステータスの確認をするように言って自分もステータスの確認を行った。



名前 エメラルド・フォン・デルタポール

 年齢 28歳 ♀

 身長215cm 体重115kg

 種族 人族??? 

 LV.35

 生命力 HP  2550

 魔力  MP  3580

 物理防御ADF  2500

 魔法防御MDF 3500

 物理攻撃力ATP 1200

 魔法攻撃力MAP 3500

 俊敏 AGI    1500

 知力 INT    3500

 スキル  火属性魔法LV.3 雷属性魔法LV.1 new 真鑑定LV.1 new 身体強化 LV.1new 状態異常無効new


【闇隷属から解放されし者ξΦΨηの眷属】

【ξΦΨηに保護されし者】


何これ?・・・


あり得ないことが起こってる…


あの時の苦しみはこういう結果になったって事?


普通成人した者が新しく魔法属性を取得する事は考えられない。


私の適正は火属性のみ雷と無属性って信じられない…


それに真鑑定これ鑑定の上位スキル?


でも 一番驚いたのは状態異常無効

一体私達に何が起こったの?


これはあの子達にも確認しないと、エメラルドは娘たちにステータスの確認をしてもらった。


「シェリルあなた達にステータスの確認してくれるかしら」


二人は頷くとステータスの確認を行う



名前 シェリル・フォン・デルタポール

 年齢 13歳 ♀

 身長175cm 体重55k

 種族 人族??? 

 LV.3

 生命力 HP  180

 魔力  MP 300

 物理防御ADF 190

 魔法防御MDF 300

 物理攻撃力ATP 100

 魔法攻撃力MAP 300

 俊敏 AGI    80

 知力 INT    500

 スキル 水属性魔法LV.1 土属性魔法LV.1 new 植物錬成LV.1new 身体強化 LV.1new 状態異常無効new

【闇隷属から解放されし者ξΦΨηの眷属】 

【ξ】

【ξΦΨηに保護されし者】


二人はステータスを確認して驚く


「お母様信じられないことが起こってます魔法属性が増えています、それにこんな事あるのでしょうか?状態異常無効ってスキルが発現してます」


「私もですお母様ミシェルも魔法属性が増えてます、後はお姉様と同じです。それに人族の後ろに?がついてます」


エメラルドは改めて見直すと、確かに?で表示されてる。

それに上書きを証明するように眷属の称号!この文字が不明な方があの方?

二人の娘も同じように増え称号も同じ回答に頷き二人に話をする


「二人ともよく聞いて!今回の件で私たちは、助けてくれた方の魔力に、完全に染められたため、私たちの身体に変化が起きました。


恐らくあの時の苦しみがそうだったと思います。

今まで適性のなかった魔法属性が増え、あり得ない状態異常無効、それに称号…


この事は決して他の者に知られてはなりません。

私達は本来なら闇の奴隷具で持ち主に奴隷として従うはずだったのです。

私の新しく得たスキル真鑑定によると、闇奴隷具は膨大な魔力を込められた魔術具です。

恐らく何十人もの闇の魔力が込められた魔術具です。


だからその魔力以上の聖魔法でないと、私達は解放されなかったのです。

私の知る限りでは、それほどの聖魔法を使える方はこの世界にはいません」


二人は頷きながら質問をする


「お母様シェリル達はどうなるのでしょうか?

何も魔力で縛られてるような感じはしません、お母様はどうですか?」


ミシェルが自分で回復魔法を発動させるために目をつむると詠唱文字が浮かびイメージした瞬間あ!できる


「ヒール」


パーーン


「うわーー温かくて気持ちいい♪」



エメラルド達が驚きミシェルに問いただす


「ミシェル何をしたの?いきなり魔法が発動したみたいだったけど」


「はい!お母様聖魔法の回復のヒールってどんなのか思ってたら、頭の中で詠唱文字が出てきてイメージが膨らみました。そしたら唱える前に発動しました。」


「詠唱せず魔法が発動するなんてあり得ない事よ!これも影響してるの?」


エメラルド達も言われた通り試すと、詠唱せず魔法が発動する


「お母様凄いです!シェリルも水球が詠唱しないで発動しました。」


「二人ともって事は私もか…」


私達の魔力の根源が違うから起こった事?


元々魔法は古代の魔法言語を唱える事で体内の魔力が放出され、言葉によって変換され発動する。


魔法言語は精霊の言葉とも言われている。

それが無くても発動するって事は、体内の魔力が精霊に近いって事?


私達の魔力を染めたあの方は人族ではない?


だから私達の種族に?がついてるはぁ…


これはとんでもない事ね


「お母様また何か考え事でしょうか?」


「ミシェルたぶんいろいろ考えてるのだと思います」


二人もいろいろ考え話し合う


「お姉さまが魔力発動して思ったのですが、今までのお姉さまの水球はポヨポヨとして色も薄かったです、でもさっきの水球は完全にきれいな球です、しかも色が凄く濃かったです」


「え?そうなの?よく見てなかった、もう一度やってみよ♪」


シェリルは手のひらを上に向け発動させる


「水球」


ポン♪


「おぉー」

「きれいな色の球なのです!」


「ほんとに詠唱しなくて頭の中で思い浮かべるだけでいいのね」


「ほんと凄いよね、これならレベル上げればもっと強い魔法が思い浮かべるだけで発動するね、あの長い詠唱覚え無くてもいいんだ♪」


「お姉さま詠唱しなくても魔法使えるの凄いけど、魔法の質?が全然違うよ、お姉さまの以前の水球と今の水球全然違うからそのまま打ち込んだら威力わかると思うよ」


「外で試してみたいけど!お母様まだぶつぶついいながら考えてるからここでいろいろ試してみる?」


「うん♪試す!」


二人はイメージしながら自分達が使える魔法を試して行く、今までなら詠唱して発動した水球は一定の大きさだったが、小さくしてり大きくしたりできる事がわかると二人は実験しまくった。


ミシェルが大きな器を持つてくると、そこにシェリルがいろいろなパターンの水球を発動させ解放していく、ミシェルも同じように風球をいろいろなパターンを発動させキャッキャしながら試し頭の柔らかい二人は今まで誰も考えなかった合成魔法まで発動させてしまう


途中から黙って見ていたエメラルドは、二人の魔法発動に驚き感心する


「二人共頭がいいし発想が凄いわ。今自分達がとんでもない事してるのわかってるのかしら?

合成魔法って… はぁーほんと凄い事してくれるわ」


「お姉さま今度は私の魔法ベースで…」


「あなた達そこまでよ!もう魔力無いでしょ!二人とも顔色悪いわよ」


「うぅ…ほんともうフラフラなのです」


「ちょっと夢中になりすぎました。」


エメラルドはいろいろ分析考えた事を二人に話す


「二人ともよく聞いて、私の新しく得たスキルに真鑑定があります、それで私とあなた達のステータスを調べ、いろいろ推察しました。


私達を助けてくれた方は恐らく女神様か使徒様だと思います。

その方によって私達は闇の隷属から解放され私達の身体は大きく変わりました。

私達はこれこらどうしたらいいのか、まず助けていただいた女神様を捜し、どうしたらいいのかお聞きします。」


二人は頷く


「私達はそれぞれこの世界には希少なスキルが発現しました。

私は真鑑定、シェリルは植物錬成、ミシェルは聖魔、そして全員が無詠唱と状態異常無効どれもとんでもない事です!


ですから私達の行動は特に注意する必要があります。いいですね、シェリル!ミシェル二人とも調子に乗って、人前で無詠唱で魔法を使わないように!」


二人は頷きこれからの事を尋ねる


「「わたしました」」


「お母様これからどうされるのですか?」


エメラルドは二人に答える


「暫くここに留まり護衛騎士達の回復を待ちます。

これは建前で今回私達を襲撃した組織を調べる。

そのために王都から諜報部隊と暗部も呼び寄せたから…

でも一番の目的は私達を助けてくれた方に会うことね。」

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