第201話ハルはホルン冒険者ギルドの人達に謝罪されました(改)



「あぁ・・とんでもないよホント見た目あんなに小さな少女なのに中身はバケモノか・・あの子いったい何者なんだ・・ 」


 ハルはカスミ達に簡易治療され痛み止めを飲み眠っていた。

そこに今回の原因である緋色の狼のメンバーとギルド受付のニーナがハルの状態を確認に来る


「どんな感じだ?」


 その言葉を聞きカスミは怒りを覚えるが、ハルを見て気持ちを抑える


「見ての通りよ、今は痛みを麻痺させて眠ってるわ」


「とにかくあなた達はこの子が回復して落ち着くまで近寄らないで!たぶんこの子怯えるよ」


「はぁ!俺たちはさっさと謝罪してクエスト受けたいんだよ!」


 ミヤビたちは、謝罪をしてさっさとこの場を離れようとする態度に呆れかえる。


カスミも男たちの態度に呆れるも、ハルの事を考えると、この場にいない方がいいと判断し男たちに話す。


「この子まだ目を覚ましそうにないから、後で謝ると言う事で、さっさとクエスト受けて出て行きな!」


「それがいい!あなた達がいない方がいい、私からも言っておく、行って!」


 緋色の狼のメンバーはカスミ達を睨みつけ再び暴言を吐く


「てめえらそのガキが高ランクだから張り付いてるのか!

偉そうに俺たちに指示するな!そのガキもなんかインチキしてるからだ!


でなけりゃあんなに弱くね!そのガキはインチキナンバーズだ!とわいえ一応謝罪だけはしておくよ!

悪かったなインチキナンバーズさんギャハハハ」


「投げて悪かったな、あんなに弱いと思わなかったからよ。

インチキナンバーズさんギャハハハ」


 ほんとこいつら屑だわ・・


 騒がしくてハルが目を覚ます


「うぅ・・」


「お!ちょうどいいやガキのお目覚めだ」


 ハルは周りを見るとさっき自分を投げた冒険者がいて少し怯える


「ひっ・・」


「よぉお目覚めか?さっきは悪かったなガキ!もう入り口でちょろちょろすんじゃねえぞ!」


「おめえがあんなところで、ちょろちょろするからちょっと脅かしただけだ、悪かったな」


「ひっ」


 完全に怯えるハルにカスミが寄り添い抱きしめる


「大丈夫よお姉ちゃんがこの屑から守ってあげるから」


 ハルはカスミにしがみつく


「はぁ!てめぇ誰が屑だ!訂正しろ!俺たちはDランク冒険者だぞ!てめえらはランク下だろうが!」


「あなた達のその態度がすでにアウトよ!よくそれでランクアップ試験合格したわね」


 ギャザーたちは怒りを露わにしハルを抱いているカスミの腕を掴みハルから引き離す。


もう一人の男もミヤビを捕まえその態度を謝罪するように要求する


「てめえらEランクのくせに、俺たち緋色の狼に対する暴言謝罪しろやぁ!」


 再びもめだす冒険者たちに慌てて駆け寄るニーナ達ギルド職員たち


「ギャザーさんこれ以上もめごと起こすなら冒険者審査にかけますよ!」


「やれよ!ただでさせこのギルド冒険者少ないんだろ!

いいのか俺はあと少しでランクアップのはずだぜ!

★★★のCランカーだいいのかそんな態度でよ!」


 緋色の狼のリーダーでもあるヤエは、ハルの態度を見てこいつは高ランクじゃない何か不正をして魔道具が判定したと思い強気な態度に出る。


「グロースもギャザーも一応謝罪したからあの件は問題ないでしょ。

それよりその子供がとても高ランク冒険者とは思えないわ。


これ以上何か要求するなら私たちも、このEランク冒険者と、この怪しい高ランクと判定されたガキに冒険者審査を要求する!


そして私達に強制的に謝罪させたギルド職員クロルに謝罪金金貨100枚を要求する!

私はトリプルスター★★★Cランクだから審査要求できるはずよね。ニーナさん」


ニーナは緋色の狼のメンバーの態度に怒る


「あなた達は明らかに冒険者規則に違反しています!

ヤエさん過去に同じように不正を疑い冒険者カードの再審査を要求された方がいましたが

、全て要求された方が敗訴。


違約金の支払い冒険者登録5年間停止処置や永久はく奪の結果に至っています。それでも審査を要求されますか?」


 ニーナの言葉を聞きヤエは考える、全て敗訴噓でしょ。

魔道具は誤作動しないってこと?


「今回はいいわ要求はしません。ただそこのEランク冒険者や怪しい高ランクの子供が、私達のクエストの邪魔したら、それなりの制裁しますから」


ニーナはヤエにはっきり言い渡す。


「冒険者同士のもめごとにギルドは一切関与しません。ただしギルド内でそのような行為が行われたら規定に沿って処分させていただきます!」


 ヤエはそれを聞き満足したのか、メンバーを連れギルドを出て行った


 カスミはニーナに頭を下げ


「ニーナさんありがとうございました。」


 ニーナは首を振りカスミ達に謝った


「いえ今回の原因私も悪いのです。ハル様申し訳ございませんでした。

怪我の治療は全て私が支払います。ハル様が回復するまで私が全面的にサポートします。

当然ギルドもハル様が回復するまで休職します、ほんとに申し訳ございませんでした」


 カスミは最初の態度とのギャップに驚いていた。


ハルもあまりの変化にビックリしている


「ニーナさんどうしたのですか?ハル別にそこまでしてもらわなくても大丈夫だから、普通に歩けるようになったらまたペントランに戻るから」


「じゃ私はペントランまでお供します。向こうのギルドに移動申請します」


ハルはニーナの発言に驚く


「えーー!そこまでしなくてもいいです。ハルもう怒ってないのです」


「いえこれは私の気持ちですからサポートさせて下さいハル様」


 そこにクロルがやって来る


「ハル様私受付の主任を任されてるクロルと申します。

この度は申し訳ございませんでした」


ハルは謝罪を受け入れ気持ちを伝える


「クロルさんお話聞きましたありがとうございます。ハル今回の件何も要求しません。

だからニーナさん叱らないでください」


 その言葉にニーナが涙を流す


「ハル様・・・グスン」


 クロルはニーナを見てハルに話す


「ハル様、ニーナの言ってること少し聞いてげて、このホルンにいる間だけでもいいからお願いします」


「そんな・・ほんとハル気にしてないのに・・うぅわかったのですここにいる間だけでいいですか?」


 ニーナは嬉しそうに返事をする


「はい!ハル様私全力でサポートしますから、着替えもお風呂もちゃんと手伝いますね。

今日は私達が共同で借りてる借家で泊まってくださいね」


「えーー!そこまでしなくていいのに・・」


 ハルはこの後ギルマスに依頼中に発生した山賊の討伐記録、その他魔物の報告と聴取のためにギルド会議室に連れていかれたのだった


 ハルは聴取に行く前にカスミ達にお礼がしたいからと明日お昼にギルド食堂で会う約束をしてニーナと一緒にギルマスたちについて行った


☆・☆・☆


その頃剣聖フランシス達は、先の戦いでの傷ついた装備の補給と休養のためエメラルド王妃達を引き連れ一度この領都ホルンに戻って来ていた。


剣聖フランシスは、エメラルド王妃の命を受け、自分達を助けてくれた小さな英雄の捜索のために、手分けして冒険者ギルド商業ギルド領都警備詰所等に情報収集のために向かっていた。


「ハリス剣姫、私は冒険者ギルドに向かう、ハリスは警備詰所でハレエル様の情報収集を頼む」


「わかった、皆行くぞ!」


「はい!」


フランシスは、ハリス達を見送ると王妃に挨拶をして、冒険者ギルドに部下達を連れて向かった。


「エメラルド殿下、公爵様の方はお任せします。では行って参ります」


「フランシス吉報を待ってます。もしこの町に留まってるなら丁重に対応お願いします」



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