第187話ハルの冒険者登録とギルマスからのお願い(改)

『な・何この子さっき一瞬だけ光が虹色だったような…今は白だけど…』


ガチャ


鑑定室にもう一人職員が入って来る


「どうしたの?キララ何か激しく光っから来て見たんだけど」


キララがサブマスに状況を報告する


「サブマス、今この子の登録行ってました。ちょとこれ見て下さい」


「魔力レベル虹色うそでしょ!表示数値低いわね?壊れたのかしら?」


「確かにおかしかったですが数値は普通以下なので誤反応かと思います。

それより討伐のところ見て下さい!」


「これって直前の討伐記録出てるわね。新人が登録日に討伐すると記録されるけど、そうかこの子今日登録だったわね。

討伐出てるってもたいがいスライムかゴブリンくらいでしょ?

うん?えーー!ブラックホーンラビット3匹にレイドウルフ10匹だとぉ!噓でしょ!」


ハルはお姉さん達の会話を聞いてうなだれました


『あ!これ終わった…』


キララさんとサブマスの人が近寄って来て腕を捕まれる


「ハルちゃん申し訳ないが、ちょっとついて来てくれるかしら、いろいろ聞きたいことがあるんだ」


「あの登録キャンセルしてハル帰っていいですか?」


サブマスは、にっこり微笑み


「駄目よ!」


「そんなぁー嫌なのぉー」


ハルはお姉さん達に綺麗な応接室に連れて行かれました。

部屋に女性が大きな机に座っていて入って来たハルを見ました。


「パルムどうしたの?その可愛いお嬢さんが何かしたの?それともあなたの子供かしら?」


「な・何を言ってるんですか!私はまだ独身です!

ギルマスこそ早く相手見つけないと売れ残りますよ」


「ほっといて!私は男は興味ないから、それよりその子どうしたの?」


キララが手をあげて説明を始める


「この子は、今日パピルス大森林を抜けて先ほどギルドに登録に来てくれた子供です。

一応登録年齢になってるようだったので登録を行ってました。

エリアス様これを見て下さい」


キララは先ほど登録したギルドカードを渡す


ギルドカードを見たエリアスは凝視したまま固まった


「ギルマス!ギルマス!ハルちゃんここに座ってもらいますよ!」


「あ!そうだな、ちょっと話し聞きたいから座ってお話ししょうか」


「あのぉハル帰りたいんだけどダメですか?」


キララとパルムはハルを逃がさないために手を握っている


「ハルちゃん今から帰るって、どこにかえるの?

今からなら森に行くまでに夜になるわよ、魔物に襲われたらどうするの!」


ハルは、面倒になりそうなので正直に答えました。


「だってぇハル登録で何か問題あったんでしょ?なら登録しなくていいです持ってる倒した魔物お肉屋さんで売るです。宿で1泊するくらいになればいいです」


ギルマス達は慌ててハルに説明をする


「パルムわかりやすく説明してあげて、私達はハルちゃんの味方だって」


「はい!わかりました」


パルムはハルに謝り説明を始める


「ハルちゃん怖い思いさせてごめんなさい」


ペコリ


「さっきハルちゃんの登録の時に直前の討伐記録が出て来て驚いてたの。

ハルちゃんが倒したブラックホーンラビットと、レイドウルフは共にDランクの魔物なのレイドウルフは最近になって見直されて討伐ランクがDに上がったのよ。

それは共に単独で現れた時のランクの話しよ。

でもハルちゃんは、ブラックホーンを3匹レイドは10匹でしょ?一応聞くけど、これは1匹づつ出て来た?」


「違う、ブラックは、10匹以上出て来たけど3匹倒したら後は逃げたです。

狼さんは何匹いたかわかんないです。夢中で倒したからごめんなさい」


ハルの発言に驚くエリアス達


「「「はぁー!」」」


「えーー!嘘でしょ!」



その話しで集まった職員は驚いていた。

部屋には、トラブルを起こさせないためギルマスの配慮で最低現の受付だけ残して職員が集まっていたのだった。


エリアスはハルを、見て呆れパルムに説明をさせる


「ハルちゃんブラック倒す時毒とか大丈夫だった?

あいつらめちゃくちゃ早いでしょ?レイドは麻痺とか大丈夫だった?

群れだと苦労したでしょ?あいつら連携するから」


「あ!そういえば… 」


エリアスはニヤリと笑いハルに話す


「わかった見たいだな、ブラックホーンはあのとんでもないスピードで動き回るから魔法はまず当てる事できないし、複数で出て来たら倒すのは格段に難しくなる群れなら討伐ランクはAにはね上がる。

最低でもBランクパーティー複数でないと討伐できないんだ。

レイドに至っては、群れなら連携する上にスピードが何故か上がるんだ」


「たまたま弱ってたのです、だからハルでも倒せた「ハルちゃん心配しなくても大丈夫だから」の…」


エリアスは、一度席をはずし自分の執務室に入り再びハルの前に座り持って来たものを差し出す警戒す


「ハルちゃんこれ食べて私が作った手作りクッキーなの」


コトッ


「え?クッキー!うわー♪食べていいですか?」


「ええどうぞ!」


「わーい♪いただきまーす」


サクッ!


「美味しいのです!うまうまなのです!」


サクッサクッ!


「ハルちゃん食べながらでいいから聞いてくれるのかな?」


「はいなのです!こんな美味しいクッキー作れるマスタさんはいい人なのです!ハルちゃんとお話し聞くのです!」


ハルの発言に部屋に集まったパルムとキララと他の職員達も安堵した。


『エリアス様ナイスです!』


職員達は、後ろからサインを送っていた


サブマスのパルムが優しくハルに事情を説明する


「ハルちゃん森の中でずっと暮らしてたからこの国の事冒険者の事についてわかりやすく説明するね」


「はいなのです!」


「まずハルちゃんが倒した魔物は、このペントラン冒険者ギルドに所属するパーティーでは唯一Bランクパーティーしか討伐できない事、今回毒系魔物と麻痺系の魔物これを連続でとなるとかなりの難易度です」


「ほえ?何でですか?治療魔法使える人とか状態異常回復のポーション持ってたら倒せないですか?」


エリアスは、ハルの言葉に呆れ、説明をする。


「ハルちゃん、よく聞いてね、まず回復系魔法使える人は、いません!

正確にはいるけどそれは教会の大神官様だけなのよ。

だから冒険者は、回復用のポーションを絶えず持って行動してるわ、ただ毒や麻痺系のポーションは高価で数もそんなに多く市場にでないのよ。

だから今回のようなケースだと、最低高ランクパーティー複数で挑むのよ」


ハルはこの世界の冒険者事情を知り納得する。


「そーなんだ、でも途中で遭遇したらどうするの?」


「そんな時のためにほとんどの冒険者は、魔物が嫌いな煙玉を投げて逃げるの」


「そうなんだ・・・ 知らなかったのです」


はぁ・・何も知らないからいきなりやってしまったのです。

でもこのギルドの人達いい人でよかった。

バカなハルに親切に教えてくれるみたいです。ちゃんと聞かなきゃだね


「ハルちゃんに冒険者について詳しく説明するね。

冒険者は10歳になれば誰でも登録できるけど、ランクがEランク以上になると厳しい試験と面接があって合格すると領主様に承認され最低限のランク冒険者補助金が貰えるようになるのよ。

それに領主様や領内の官長様からの指名依頼もあるのもこのクラスからなの、指名依頼は普通の依頼より高額で成功すればするほど認知度も上がりいろいろ高待遇されるわ、それにランクが上がれば貰える補助金も上がるから冒険者を目指す人は多いわ」


この世界の冒険者って立派な職業なんだ。

だからハルが一人でいてもあんまし絡んで来なかったんだ。


「冒険者って立派な職業なんだね」


エリアスは頷く


「そうよ、国が国家騎士、地方騎士と同様の国が認める職業になってる。

だからBランク以上になると、国から冒険者補助金が貰えるようになるのよ。

もちろBランク承認審査もあるわ。

かなり厳しいけど、国からいろいろ優遇されるから皆ここを目指してるわ。

特に平民は貴族クラスの称号が与えられるから」


エリアスの説明を真剣に聞いて考え込むハル


「ハルちゃん登録する時の説明と今の話でいかにハルちゃんが凄いかわかって貰えたかな?」


ハルが凄い?そうなの?ほえ?


周りの職員もハルが理解してない姿を見てあきれ返る


「はぁ~ハルちゃんは、複数パーティーでないと倒せない魔物を一人で倒して来たのよね?わかるかな?」


「…あ!そうだ!アハハ…」


はぁーほんとにこの子はもう…

自分がどれだけとんでもないことしたかわかってないわね。

この子をこのまま放置するととんでもないことになるわ何とかしてあげなきゃ・・


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