第37話ハルにお友達ができるかも


ドンドン!


「モルソン様より、犯罪者の捜索をしてる警備隊の者だ!

家の中を調べさせてほしい!」


兵士呼びかけに、この屋敷のメイドが対応する


「少しお待ち下さい!」


メイドが慌てて中に入り主人に報告する。


「奥様!大変です!警備隊の者が犯罪者の捜索で、家の中を調べさせろって来てます!」


屋敷の主ミリアは、側で眠るハルを見る


「まさか!この子?今絶対見つかるわけにはいかないわ!

あなた達はあの子を隠し部屋に連れてって!

後こういう時のお茶を用意して!

私が時間稼いで対応するから」


メイド達は、慌てて動き出す


「わかりました、私はお茶の準備するから、シルアはこの子とお嬢様をお願い!」


シルアは、頷きエリアに話しかける


「わかったわ!エリアお嬢様少しお手伝いお願いします!

この子を隠し部屋に連れていきますので、お願いします。」


ミリアは、メイド達の様子を見て訪ねて来た兵士に対応する



「お待たせいたしました。私主のミリア・シトラスと申します。

モルソン侯爵様の家臣の方が、どうされたのでしょうか?」


訪れた兵士が、部下数人を後ろに控え威圧するように話す。


「モルソン侯爵様を魔法を使って殺そうとした8歳くらいの髪の長い少女がいる!その者を探している!家の中を調べたい!案内せよ!」


強引に家の中に入ろうとする兵士を言葉で圧力をかける


「私どもシトラス家は、代々王家と専属のお取引させて頂いております。

それなりに信用と格式もございます。新興貴族様ではご了解できないでしょうが、はっきり申し上げます!


この格式あるシトラス家に、一兵士が侯爵様の命令だから家の中を見せろ?

何の書面もなく無礼にもほどがあります!

帰りなさい!帰って侯爵様に伝えなさい!

それなりの証拠なり根拠を示し侯爵様自ら訪れなさい!

この事は王家に報告します!さっさと帰って伝えなさい!」


ミリアの言葉の圧力に、兵士が怒りミリアに迫る


「きっさまー商人風情が偉そうに!さっさと見せろ!」


兵士の行動を見て、ミリアが別のメイドを呼ぶ


「ケリー!マリー!」


ケリー、マリーは、主の命令と共にすぐに現れ、身体教強化を使い兵士の後ろをとり首元にナイフを当てる


「これ以上ミリア様への無礼な行いをするなら、それなりの覚悟をして頂きます!帰って侯爵様に伝えなさい!」


「わ・わかった…」


兵士達は帰って行った。


兵士が完全に引き上げたのを確認して、ミリアは、リビングに戻りメイドに隠し部屋から少女を連れて来て貰う


シルアが少女を抱っこして戻ってくる。


「ご苦労様、メイド長ラム、ケリー、マリー、エリア、あなた達ももう大丈夫よ」


娘のエリアは、シルアに抱き抱えられてるハルを見て母親に尋ねる


「お母さん、この子どうするの?侯爵様に渡すの?エリアはこの子を守る!侯爵様に渡さない!」


ミリアは、エリアの少女を絶対守ると言う強い意志に微笑む


「偉いわエリアさすが、お母さんの子供ね」


私はシルアに少女を部屋の中央のソファーに寝かせるように言った後、屋敷に勤める全ての使用人を集める。


ミリアは、集まった屋敷の者を見つめる


「皆集まってくれるかしら、これから大事な話しをします。

シトラス家この本宅にいる全ての家臣をただいまを持って解雇します!」


皆驚きを隠せずざわついている


家臣を代表してメイド長のラムが質問をする


「奥様!いきなり何をおっしゃるのですか!理由をお聞かせください!」


皆はわかっていた。短い者でも5年長い者で20年以上、このシトラス家に仕えてきた。

ゆえに主であるミリアの性格も十分理解していた。


奥様は何より家臣を大切にされる方、そのような方が、理不尽にいきなり解雇なんてされるはずがないと、恐らくは…


「これから起こる事は、完全に私個人の起こした問題です!

それは貴族に反抗するという大罪、恐らくこのシトラス家も、取り潰しになると思います。

だからあなた達は、また別の所を探しなさい!

今までこのシトラス家に仕えるえてくれてありがとう…」


ミリアは、深々と謝罪をする

メイド長ラムがミリアに語る


「奥様、私達はいつもこの館に仕える者で集まりよく話し合ってました。

私達は、皆奥様に拾われ救われた者達です。

学問のない私達に勉強、貴族社会、商人社会様々なことを教えてくださいました。

マリー、ケリーは、闇社会で殺されかけ死ぬ寸前だったのです。

そんな私達が、この窮地に奥様を捨てて出ていく事など出来ません!

私達は殺されるとわかってても、最後まで奥様と一緒にいたいのです!」


ラムの目には涙が溢れ、他の家臣も皆涙を浮かべミリアを見つめている


ミリアも涙が溢れる


「皆ありがとう私この子をどうしても守ってやりたいの… エリアごめんね」


エリアがミリアの手を握る


「お母さん、エリアもこの子を守る!」


集まったメイド達もミリアを囲む


「「「「私達も奥様とその子を守ります!」」」」


ミリアは、集まった者達を一人一人見つめる


「あなた達… ありがとう。みんなで守りましょ」


それからミリア達シトラス家は、全員武装をして、モルソン侯爵が来るのを待っていた。


2階から様子を見てた、ケリーが報告する


「奥様!来ました。屋敷は兵士で囲まれています!その数800はいるかと思います」


「凄いわね、たかが商人なのに、モルソン侯爵のほとんどの兵力が、来てるんじゃない?」


唯一戦闘経験のある二人のメイドが話し合う


「マリー、一人でも多く道連れにするわよ!死に急ぎはダメよ!」


「この中で、戦闘経験あるのは私達だけなんだから、決して奥様から離れてはダメよ!」


皆それぞれこの戦いの中でも諦めないと、覚悟を決めていた。


メイド長ラムが訪問者を伝える


「奥様、モルソン侯爵です」


ミリアは、頷き門まで出て行き、毅然とした態度でモルソンに話しかける


「これは侯爵様そんな大勢で、何かご用でしょうか?」


モルソンは、怒鳴るようにミリアに話す


「やかましい!ここに銀髪のチビ女がいるだろ!渡せ!そすればお前達の無礼な行いは許してやる!」


ミリアは、素直に答えモルソンを煽る


「はい!確かに保護いたしましたわ!あんなになるまで痛めつけるなんて、いいご趣味してますわね」


モルソンは、怒りを抑えミリアに恐怖を感じる時間を与えるため猶予を与える


「きっさまー!まぁいい!さっさとチビを渡せ!考える時間をやる!

1時間たっても連れて来ないならこの屋敷の者全員反逆者として皆殺しにする!」


ミリアも対抗して、モルソンを脅す


「いいですわ!この一連の事件に関しては王家に報告します!それを踏まえて来なさい!

私達もそれなりの覚悟してます!侯爵!あなたも覚悟しなさい!」


モルソンは、怒りながら戻っていく


ミリアは屋敷に入り、家臣の前で頭を下げる


「皆今まで私について来てくれてありがとう…」


その言葉に皆が涙ぐむ


そんな中、可愛い声が聞こえてくる


「ハルは助かったの?ここはどこなの?」


その声を聞きミリアが答える


「あら♪よかったわ気がついたのね。」


ハルは、回りを見て近くにいたエリアを見る


「お姉ちゃんがハルを助けてくれたの?ありがとうなの」


エリアはハルを見て答える


「ハルちゃんて言うんだ、私はエリアよ。ハルちゃんが傷ついてるのに、助けるのは当たり前よ」


ハルは周りにいる人達を見つめる


「あれどうしたの?悲しそうなの、このお姉ちゃんも、この子もみんな悲しそうなの」


エリアほ、泣きそうな顔をして、ハルの手を握る


「ハルちゃんはエリアが守るからね!」


「ハルを守る…?」


ハルは意味がわからなくて、サーチを使って調べましたの


これって… この魔力!ハルをいじめた人達だ!むーー!

だからこのお家の人達哀しそうな顔してたんだ…

このお家の人達ハルのせいで死ぬかも知れないのに… グスン


ハルは嬉しいのです…


ハルは初めて、この世界に来て、人を守りたいと思いました。


『ハルの酷い傷を治してくれて、ハルを殺そうとした、ゴミ虫の兵士に囲まれて、死ぬかも知れないのに…

この人達ハルは絶対死なせない!

ハルが絶対守る!』


ハルは、声に森の仲間にだけ聞こえるように叫びましたの


ハルの突然の行動にミリア達は驚く


「ハルちゃんどうしたの?何か叫んでるみたいだけど…」


そうハルは、状況を察知して立ち上がって、窓に向かって笛を奏でるような声を発したからだ。


「ピュルル…ヒュルル……」

『パルルー!メルルー!シルルー!リルルー!森のみんなぁー!ハルとこのお家の人達を助けてなのー!』

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