第26話アリス王女はポンコツでした
王女一行がホトス村を出て3日目、ここまで何事もなく進み、王都まであと1日の所まで来ていた。
「姫様明日には王都です、今回の姫様襲撃の件しっかり検証されたほうが、よろしいと思います」
「報告はするけどたまたまでしょ?盗賊よ」
「いえ、今回襲撃の人数やり方、それに魔物使いまで、盗賊は普通商人や貴族を襲う時人数によるごり押し、魔法で馬車を破壊して移動手段を無くすやり方はあまりしません、攻撃魔法を放つ者がいても一人か二人です、今回は異常です」
「私も今回の襲撃事件はおかしいと思います、このまま王都に戻るのは、どうかと思います、どこかに隠れ様子を見たほうがいいかと幸い応援で呼んだマエラが後から状況を見ながら追いかけて来てます、マエラを使い王都の様子を見させるのも方法かと思います」
「それで、応援の部隊が馬車を持ってきても使わずここまで来たのね、今回の件よく考えてって言われたけど、馬車で移動しない理由がわからなかったから、そういうことね、アハハハ」
「アハハじゃありません!姫様、これからはもう少し考えて行動なさってください」
「ひょっとして、お父様やお兄様の護衛メイドのリズムが私に同行したのって、お兄様の指示なの?」
「はい!シリウス王子様のご指示です、何か起こる可能性が高いからと、防御に優れた兵士が今回選ばれてます」
ほんとアリス様は、ちょっと何かずれてるって感じだわ、今回の襲撃も世界でも珍しい3属性の中級魔法を使えるアリス様が、魔法を行使してくれてればもう少し違った展開だったのですが、盗賊ごときに私の魔法は使わないって、馬車に引きこもってしまわれなければ、はぁ
しかしあの時陰から助けてくれた者、本当にすごかったわ、恐らく国王自ら謝礼をするからと掲示しても名乗り出てこないでしょうね
「リズム、ちょっといいか、これからの事なんだが、ここまでの間にもう一回くらい襲撃あるかと警戒しながら来たが、何も起こらなかった、このまま素直に王都に入るのやめて一度引き返し、別ルートでクポルの町を目指した方がいいと思う」
「ロマリオ様なぜそう思われるんですか?」
「今回の姫様の襲撃、あれは盗賊の襲い方じゃない事、何か画策されてのことならプライム国王やシリウス王子の周辺も危ないと思う、今回の件が盗賊でなく王国内部の者の仕業なら、何か証拠でもつかめれば一掃できるんだが」
「ロマリオ様なぜクポルの町なのですか?ホトス村経由なら補給と野営も少なくて済みますが、ここからクポルの町となると全て野営で物資もギリギリかと、戻るならホトス村でもいいのでは?」
「すまん、リズムこれは武人の勘なんだ、あそこに行けば安全なような気がするんだ、何かあってもまた守られるような気がな、 すまん!今のは無しだ、もう少しまって、後方からくるマエラの報告が何もないなら、このまま王都にもどってもいいが、とにかくここに待機だな」
「ロマリオ様、実はわたくしも同じこと考えてました、クポルの町に行けば安全だと、私も感じました。今はマエラ様を待ちましょう」
次の日、姫様がなぜ王都に向けて出発しないのか騒ぎ出すが、ロマリオの体調がすぐれないからと言うと納得し大人しくなった
その日の夕刻にマエラが到着し私たちは予想していたことに驚いていた
マエラから渡された文書には、姫様再襲撃と誘拐による王子抹殺計画もあると、重要文書につき書類はクポルの町冒険者ギルドに届けると書いてある、
捕らえた盗賊は全部で50名、別紙地図に捕縛場所を示す早急に向かわれたしと、約1名の貴族もいたと記されている
「ロマリオ様この文書どう思いますか?」
「偽物か本物かってことかマエラ」
「はい!私は、ほんものと思い待機させてた部下をその場所に向かわせました。」
「さすがだな!そのこれがほんものだと思った根拠は、何んだ」
「姫様が襲撃された件と場所、それに捕らわれてる者の場所と人数です」
「マエラの判断に感謝する!これから我々はその文書の引き取りに向かう、マエラは王都に戻り秘密裏にシリウス王子に報告指示を仰げ!おそらく姫様が再び襲撃され王都に向け逃走中と国王謁見の間で報告するように言うはずだ、我々はこのルートでクポルの町に向かうから何かあれば早馬で知らせてくれ」
「リズムお前は姫様の説得だ、今度は全て野営でクポルまで行くと、頼んだぞ!」
「わかりました、姫様の扱いは単純ですから、任せてください」
「アリス様実はマエラが、先ほどホトス村から戻りまして、この前お会いしたあの可愛い少女が手紙を残してたみたいです」
もちろん手紙は前もってマエラに可愛く書かせた物、
「お姉ちゃんこの前はごめんなさい、お姉ちゃんにもう一度会いたいの、クポルの町に住んでるから会いに来てください」
それを見せると、
「皆クポルに向かうわよ、支度して!」
えーー!即答なの?アリス様って疑うことしないの?ほんと単純ね
「クポルに向け出発するぞ!」
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