天真爛漫少女とモフモフ達との異世界大冒険

クロミnov25

異世界へ

第1話クラスごと異世界へ(改)

ボクは桜が丘高校で教師をしている瑞樹 葉瑠、今日は修学旅行でバスに乗り高速道路を移動している。

私の勤務する高校は、田舎の高校で全校生徒わずか90人で、修学旅行に来てる2学年は28名、今バスで日光を目指して移動中で、バスの中は皆楽しそうにしている。


グループで楽しく会話をするもの、スマホをいじるもの、ゲームをして楽しんでいる者それぞれで、ボクはそんな生徒たちを見ながら休憩するサービスエリアをどこにするか考えていた。


バスが高速道路の長いトンネルに入った時、生徒の一人が気分が悪いと言って来たため、ボクは運転席の横に保管してる救急箱と、ダスト袋を取りに運転席の横まで行ったとき、突然轟音と共に、トンネルの天井が割れコンクリートが落下してくる。



運転手は急ブレーキをかける!


生徒たちはシートベルトのおかげでシートに座ったままで悲鳴をあげている。


落下してきたコンクリート片がフロントガラスを突き破り、バスの中はパニックになる



「「「「キャーーーーー」」」」


バリーーン


ドカン!


ボクは急ブレーキの反動で、割れたフロントガラスの隙間から車外に投げ出され道路を勢いよく転がっていく。


ドスン!ドスン!ドスン!


「痛い!痛い」


視界には地面、トンネルの壁、天井バスとグルグル入れ替わるように見え、そして広範囲で崩れ落ちてくるコンクリートが当たる直前バスが光ったように見えた。




「うわーーーーー」





コンクリート片が落ちてくる・・・ ヤバい


ドスン


その時ボクにコンクリート片が当たったのか、強い衝撃と激痛で意識が途絶えた。


…………………

…………


「おー!また魔法陣が光ったぞ!」



気が付くとボクは大理石の床の上に寝ていた。


うう… 何かぼーっとするし気分が悪い



ここは?どこ?

あれは誰?


数十人いるけど… その向こうにも誰かいる。

ボクがぼーと見ていると誰かが近づいて来る


ボクは頭が混乱して、何がなんだかわからなくて、座ったままボーっとしてると


「おお!気が付かれましたか?お嬢様こちらへお越し下さい」


ボクは、その人の言われるまま従ってついて行き、大勢いる人の近くに連れていかれた。


「では、改めて、タイセル国宰相のウラドラスと申します。

勇者様ようこそ我がタイセル国へ、この度我が国をはじめ多くの国々が協力し合い魔族に対抗するために召喚の儀により皆様を呼ばせてもらいました。」


召還の儀?何それ…


それに騒いでる人が沢山いるけどどうしたんだろ…



「はぁ?何言ってるんだよ爺!さっきから何回も聞いたよ!寝ぼけんじゃねえぞ!」


「そうよ!何よ!ここはどこなの?私たち修学旅行中なのよ!早く帰してよ」


あの人達凄いなぁ…正義感あふれるイケメンさんだ。


グループのリーダーさんかな?


でもここどこなんだろ…

ボクは誰れ?何でここにいるの?


あの人達は誰?ぅう記憶ないの…


全然わかんないの…


あの人達ずっと一緒に騒いでるから、たぶん何かとんでもない事になってるんだ…


うわー仲間のお姉さん泣き出したよ…


なんか無茶苦茶になってる。


何なのこの人達、もう少し落ち着けばいいのに…


ボクも自分が誰で、何でここにいるかわからないし、知りたいことあるのに…


ちょっとうるさすぎなのね。


あの人達なんなの!相手の話し全然聞けないじゃん!


ボクはムカッと来て叫んだ!



「うるさぁーーーーーーい!静かにして!」


「なんだよガキ!なんでこんなガキんちょがこんなところにいるんだよ!」


はぁ?何言ってるのこの人… ガキ?ボクの事?


ボクの事は後なのね。


「今そんなこと関係ないのです!この人の話聞きたいのにお兄ちゃんたちがうるさくて聞こえないの!黙って聞いて!」


周りからは、おお!と歓声があがる


イケメン君が何か言おうとしたら、少し格好いい女性が制御してくれて、諭していた。


「藤代君、ちょっと落ち着こうか、私たちが悪いわ」


「すまん轟」


ふーん冷静な人もいるのね。


「では、続けさせていただきます。

文献によりますと、過去にもこの召喚の儀式で、こちらの世界に来られた方々がいました。

その方々は、地球と言う星の日本国から、このプラムスと言う世界に来られました。」


「そんな説明はいいんだよ俺らを帰しやがれ!」


まただ。なんなのあの人説明してるのに途中で文句言って!


馬鹿なの?確か藤代って人だ。文句言うの後にしてよね。


すると説明をしていた後ろの従者が、いきなり何か詠唱を始めたと思ったら、騒いでた藤代たちの前に小さな落雷が落ちた


バチーン!


「国王様の御前です!宰相様が説明していますのでお静かに願います!次は当てます!」


ボクは魔法を放った人物を睨みつけ文句を言った。


「ちょっと待って!勝手にボク達を召喚して混乱してるのになんなの!

その国の一番偉い人が自己紹介も謝りもせず。


この儀式の責任者が勝手に話し出して、話を聞かないからいきなり魔法放つなんて、この国の人達は常識がないの!


まず謝るのが先でしょ!


あなた達はボク達にお願いする立場でなんでしょ。


立ったまま僕達を見下すような態度で、しかも凄く偉そうだし…


ほんとなら全員ボク達の前に跪くとか、頭を下げるとかすべきじゃないの!

そんな態度で誰が話を聞くんですか!もっと考えてほしいの!」


藤代たち騒いでた者達が、小さな少女が国王たちを睨み一喝した態度に、驚きひそひそ話し出す


「おいあのチビすげえな」


「あぁ一体何者?」


すると国王が立ち上がり頭を下げ謝罪する


「娘子よ、確かに呼び出した我々の対応が間違っておった、申し訳ない」




国王陛下が頭を下げたことで宰相たちが慌てる


「陛下が頭を下げるなどなりません」


国王は宰相の言う事に首を振り、少女の言うとおり宰相達も態度を改め謝罪するように命令する


「この者の言う通りじゃ。我々に魔王の脅威が迫ってるからと言って、この者達には関係がなかったことなのじゃ!


この者達は、我々の都合で呼び出された被害者なのだ。

だから責任者である儂が謝罪するのが当たり前じゃ!お前たちも謝罪しなさい」


国王と名乗る男が私たちに頭を下げ、控えの従者も全員それに続く


「名乗るのが遅れて申し訳ない。

私はタイセル国国王ブランド・セリ・タイセルと申す。


改めて今の状況を説明させてもらう。 


この度あなた方をいきなりこの世界に召喚してしまった事、心からお詫び申し上げる」


一人の女の子が進み出て、ボクをチラリ見て国王に向かって話し出す


「私古見と言います。代表してお聞きします。

今召喚と言われましたが、それって、ここは別の世界ってことでしょうか?


なぜ言葉が通じるのか理解が出来ませんが、参考までに今の年代とか何日なのか、どう言った理由で召喚されたか、教えていただけないでしょうか?」


国王陛下は頷き横にいた偉そうな宰相に指示をする。


「宰相!この方々に詳しい説明をして差し上げてください」


宰相は頭を下げいろいろと説明してくれる


「宰相のウラドラスと申します。

皆様が召喚された今日は、アストロ暦355年弥生18日でございます。


我がタイセル国は、西に大河ラトラルト川が流れ、北はヒュースト山脈、東にレタース大森林が広がり、南はカラフル海が広がっています。


国土はマタマル大陸最大を誇ります。

我が国王は、多くの国民に支持されて平和な状態が続いています。


数年前に女神様の神託があり、世界樹に花が咲くとき魔族の災厄が訪れると」


宰相の話しを聞き不安になったのか小声で話し出すお兄さん達…


「はぁ?マジか!ここって本当に異世界かよ!」


古見がしゃべりだす藤代たちを黙らせて、質問をする


「みんな少し静かにして!まだ聞くこと沢山あるのよ」


「わかった」


「それで世界樹に花が咲いたのでしょうか?」


宰相たちが誰かと話をして答える


「今調査団が調べに向かっているわかるまでまだ暫くかかると思う」


古見は宰相たちとその側近の様子を見てそのまま下がる


宰相が再び話を始めようとすると、やっと状況が理解できたのか誰かが騒ぎ出す


「嫌だよ!こんなこと、帰りたい…」


「そうよ!私達を帰してよ!」


「そうだよ!俺らには、関係ねえし!帰せ!」


再び騒ぎ出したのを見て古見が宰相達に話す。


「あなた達の国のことは大変だと思います。私達にはそんな力ありません。帰して下さい」


ボクは古見と宰相のやり取りを静かに見て思った。


『あのお姉ちゃん凄いね。もうわかってるみたいなのね。

でも他の人達はずっと騒いでるよ。

もう少し状況考えたらいいのに、あーー!もう本当うるさいです。』


「うるさぁーーーーーーい!静かにして下さい!お兄ちゃん達は馬鹿なの?まだ話しは終わってないのです!」


藤代って人がボクに言って来る。


「て言うか、さっきから偉そうにしてるけど、お前は誰だよ!」


確かに気になるだろうけどボクにもわからないし、それより今は他にする事あるでしょ



「そんなことは後でいいのです!今は、聞くこといっぱいあるのです!」


「はぁ?何言ってんだガキ!」


宰相が咳払いをして騒ぎを止め話を続ける


「では続けさせていただきます。この世界の魔族の力は強大です。

兵卒でも高ランク魔術師50人分の魔力を持ってます。

その魔族の幹部クラスなら一人で国を滅ぼせます。


異世界から召喚されたあなた方は、異世界を渡る時に、強力なスキルを与えられてるはずです。


その力は魔族に匹敵します。


何故そのようになるかは、わかりません!

どうか私達の国を救って下さい!お願いします」


国王始めこの広い部屋にいる全員が頭を下げている。


国王も頭を下げたまま語る


「あなた方には、本当に申し訳ないと思っておる。

どうか願いを聞いてはくれないだろうか」


暫く沈黙の後でイケメンリーダーの藤代がしゃべるとその仲間も賛同するようにしゃべり出す。


「仕方ない… 俺らで役にたつならやってやるよ!」


「俺もやるよ!」


「真一と文雄がやるなら俺もやってやるぜ!」


「私も付き合ってあげるわ♪」


リーダー的彼らがやる気を見せたため全員がまとまりを見せていたが、古見と一部の女性はずっとハルを見つめていた


ボクは調子にのって賛同する藤代たちを見て思った。


凄い能力あるからってヒーローになったつもりなの?


下手すれば死んじゃうんだよ。わかってるの?ほんと馬鹿だ。


ちょっと言ったげるのね。


「ふぅーん、まぁお兄ちゃん達の事どうでもいいけど、本当馬鹿ね!

ボクに力があっても、そんなことで納得できないから手伝ったりしないのです!

もう少し考えて見たら、わかる事なのです!」


国王と宰相がボクを見て、何かひそひそ話をしてるけどぉ


なんか嫌な予感・・


ボクどうなるのかなぁ




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