世の中、コロナで大きく変わりはじめたが、変わらなくてもいいものもある。

スマホで検索していると、着信の画面に変わった

「うん、タカシか?」



大学のボクシング部の後輩からだ



「もしもし」



「先輩、あんべどうですか?」



「久しぶりやなぁ。元気やで、タカシは?」



「いやー、なんとかやってます」



相変わらず、青森なまりが消えていない。


タカシは私が4年のときの1年生。しゃべり方も性格も、のんびりとしいて、まったくボクサーらしくなかった。それでもリングに上がれば、右ストレートで相手をマットに沈めるハードパンチャーでもあった。


タイトルには縁がなかったが、大学卒業後、有名ジムからプロデビューして、引退後もトレーナーとして、後の世界チャンピオンを支えた。


いまは、横浜で小さな居酒屋をやっている。


「店は大丈夫か?」



「いやー、もう1か月以上閉めとります」



「そうかー」



「ども、先輩マスクとかありますか?ながったら送りますよ」



「大丈夫や。自分の身体大事にしいや」



「まだ飲み、たいですね」



「生きてたら、また会えるよ」


緊急事態宣言が全面解除され、なんとなく動き出した。安倍首相は約1か月半で、ほぼ収束させたと、成功を強調?


ただ、2回目の緊急事態宣言もあるとも発言した。


NHKニュースで焼鳥屋の店主が、不安が80%、期待が20%と答えていた。


世の中は、大きく変わりはじめた。


でも、変わらなくても、いいものもある。


タカシの優しい青森弁が、元気をくれた。


電話ありがとう。

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