物々交換の時代

物々交換の時代


新玉ねぎのお裾分けで、数軒の知人宅に行った。皆んな他人と会うのは久しぶりで、笑顔で迎えてくれた。

「玉ねぎで安否確認できてよかったね」

「元気そうで安心したわ」

帰りがけ、

「これ食べて」

そう言って、チョコレート菓子を渡された。


太平洋の島国フィジーでは、新型コロナウイルスの影響で、昔ながらの物々交換が活発になっている。多くの人が失業し、助け合いをと

「よりよいフィジーのための物々交換」

というフェイスブックのページが立ち上がった。こう呼びかけた

「お金を使わずに、必要なものを交換しよう」


ある女性は、スマートフォンをメスのヤギと交換した。

「スマホをヤギと交換?おもしろい、これはええ話や」

ヤギは雑草を食べてくれるし、ミルクも飲むことができる。

スマホからミルクは出てこない。

これからは、お金じゃなくて物々交換。


女性はこうも言っていた。

「交換するとき、握手もハグもできないけれど、暖かい笑顔でホッとする」

日本でも、地方で暮らせば、野菜をもらったり、魚をもらったりする。

今度は、何か自分で出来ることでお返しする。


コロナで大切な事を思い出してきた。


誰かがいてくれて、ありがたいな

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