第29話  パーティ結成

ステータス調整が終わったし大分動けるまで回復出来た。ここに留まるのは危険と考えて学校から避難した方が良いだろうと考えて向かおうとしていた頃に周辺を警戒と索敵をしていた涼宮さんと五十嵐君が俺の事を心配してくれたのかダッシュで戻って来てくれた。先頭にいるのは涼宮さんか?そんなことを考えていると俺のことを目視した涼宮さんが涙を浮かべながら飛び付いてきた。


「グスっ………逢坂さん……ご無事でよかったです…」


まさかこんなに心配してくれるとは思わず照れてしまう。石塚君も苦笑しながらも安堵の表示をしながら俺に近づいて感謝の言葉を述べてくる。その間涼宮さんは泣きっぱなしだったが…滝沢姉妹がオークキングを倒したことを告げると安堵と尊敬の眼差しをこれでもかってくらい向けてくれる。…なんだか恥ずかしいな。

俺はそんな眼差しから逃げるようにある提案を告げる。


「おほんっ。え~オークキングを倒してこの地区には俺たちに脅威となるモンスター達はいないだろう。だが、これからはあの空間の裂け目から出てきた過激派と戦うのは必須になると思う。今回はなんとか退けられたが、次は乗りきれるのかどうかわからない。そこで俺からのお願いなんだが、君たち生徒会のメンバーに俺とパーティを組んで欲しいんだ。もちろん、出来るだけレベル上げの手伝いはするし、危険だと思ったら退却してくれてかまわない。お願いできないだろうか?」


俺は彼らに向けてお辞儀をしてお願いする。すると涼宮さんも俺から離れて生徒会メンバー達と目線を合わせてお互いにうなずき合っている。そのあと涼宮さんが代表として俺と目線を合わせて真剣な表情で話し出した。


「逢坂さん、実は僕達生徒会メンバーはここに来るまでに話し合いをして逢坂さんにレベル上げを手伝って欲しいとお願いするつもりでした。オークキングの時の様に逢坂さんだけに戦ってもらい私達は避難民の誘導をするしかなかった。己に戦うだけの勇気や戦闘能力が足りないという事実が情けなくて悔しかったのです。改めて私たちからお願いします。どうか私たちを逢坂さんと一緒に連れて行ってください。お願いします。」と生徒会メンバー一同でお辞儀をしてお願いする。


「ありがとう、願っても無い申し出だよ。俺はここに誓う。君達をこの世界で問題なく生き残っていけるくらい強くすると。そして一緒に切磋琢磨しながら強くなろう。」と俺はみんなと一人一人手を握り合って誓いをたてた。


「それじゃあこれからのことなんだけど、今のままで過激派の連中と争って安全に勝てるとまではいえないと思う。そこで各々のステータスの確認とスキルの検証が必要だと思ってるんだけど、みんなはどう思うかな?」


「それで問題ないと思いますがその前に避難民の皆さんと合流して一度安全な場所に移動したほうがいいと思います。その後にスキルの検証の方がいいと思います」と五十嵐君が提案する。


「あっ、そっか。安全確保の方が重要だよね。うっかりしてた。ありがとう五十嵐君、これからも提案してくれたら助かるよ。基本的に自分はどこか抜けてるから」と苦笑いしながら俺達は避難民がいるという南校舎に向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る