第10話  中学生と小学生の子供を保護

さてと、1階に降りて食料を調達しようかね。なんだか回収作業に馴れたのか罪悪感も何も沸かなくなってきたな。


「おっと……」


考え事をしている間に、階段を下り終わった。普通に歩けば一分もかからないはずなのだが、デコボコしており、降りるのにずいぶん時間かかった。一階の部屋はどこもボロボロに荒らされていた。恐らくあのゴブリン達がやったのだろう。だが部屋は荒らされていても、血痕の後や争った形跡はなかった。

やっぱり住民の皆さんは避難していたのだろう。俺は1階に降りて入り口から出たら駐車場になっており、それなりに高級マンションだったと気づいた。入り口がオートロックだったしね。駐車場には普段なら高級な車が止まっているのだろうが今は無惨な姿でボロボロになっている……こりゃ乗るのは無理だな。でもこのまま捨てておくのはもったいないなー。ブラックリカバリーに入るだろうか?レベルも上がったし大丈夫だろう、多分。試してみる。車が消えた。おぉ、入ったよ。こんなでかいモノでも入るなんて。ホントスゲーな、魔法。マジ、チート。


「……ん?」


周囲に武器になりそうなものを回収していたら、、後方にある瓦礫の隙間から隠れている何者かの気配がした。でも『敵意感知』や『危機感知』には反応がない。てことは、モンスターじゃない?もしかして逃げ遅れた人かな?ゆっくりと後ろを振り向き瓦礫の隙間を覗きこんでみる。そこに居たのは、何と中学生くらいの男の子と小学生くらいの女の子だった。

俺は二人を見つけた瞬間は動揺してすぐに助け出そうとしたが、そこに敵意感知に反応があり、近くを見回したら数匹のリザードマンが近付いてきていた。しばらく様子を見ていると4匹のリザードマンが何かを探している仕草をしていた。


「……もしかして、2人を探しているのかか?」


何を探しているのかわからないが、もし2人を探しているならば始末した方がいいと思い、俺は隠れながら魔法を目の前にいるリザードマンに手の平を向けて魔法を発動する。もう路上に出ているのであたりを気にせずに火魔法を使える。


「ヒート・バン」


魔法銃から大きめの火の玉が飛び出しリザードマンに直撃し着弾時に爆発を引き起こす。かなり魔力を込めたので4匹同時に倒せた。リザードマンの死体の近くには水色の小石が落ちていた。


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV6から7に上がりました》


あっ、レベルが上がった。

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