第7話  魔法と魔法剣で無双

玄関のドアの前に立つ。ここから先は未知の世界が広がっているが、魔法と剣があるのでそこまで緊張しなくて済む。それが例えモンスターが道を跋扈する世界が広がっていたとしても。あらかじめ感知スキルを使って周囲をあらかた調べている。俺は普段通りドアノブに手を置く。すると突然何か嫌な感じがした。まるで頭の中で警報がなっている感じだ。すぐさままた魔法スキルの風読みと気配感知を発動して周囲の様子を確認する。お陰で原因がすぐにわかった。

エレベーター付近に1体のゴブリンがいる。そして他人の部屋の中にも数匹いるようだ。


「なぜ最初は感知出来なかったんだ?」

俺は疑問に思ったが、すぐに答えがわかった。エレベーターの付近にいたゴブリンが動きを止めた瞬間、気配がしなくなった。つまり風読みでは動いていないと感知できないのかレベルが低すぎるということだ。

これは不味いな、気を抜きすぎていた。

「スキルは万能ではないということだな、注意しておこう。」


部屋の中にもいるということは残念ながら火魔法は使えない。そうなるとやはりここは闇魔法を駆使して「シャドウ・チェーン」で拘束して風魔法を付与した剣術で一気に串刺しにした方が楽かもしれない。魔法の発動方法で大切なのは「魔法をイメージすること」だ。一匹を仕留めるのではなく複数を串刺しにするイメージを持てばいい。次に大事なのがやはり威力だろう。これは魔力の濃度を高めたらいいのでそんなには難しくないだろう。ただ問題なのは串刺しにするのでグロテスクになることかね(ー(エ)ー)

まあそんなこと言ってられる状況でもないし、殲滅優先で考えよう。


よし、まずはどう動いていくか殲滅する前にイメージしよう。まず自分の姿を影の中に入ることが出来る闇魔法スキル「シャドウ・ウォーク」でエレベーター付近にいるゴブリンに接近し、後方から剣術を使って首を一気に落とそう。そうすれば他の部屋にいるゴブリン共にも他の階にいるかもしれないモンスターにも気づかれないだろう。そのあと、音をなるべく立てづに部屋に入り先程話した作戦を実行しよう。

あっ、良く考えたら風魔法でボイス・サイレントで周囲の音を消せるからそれを発動したらいいか。テヘっ(≧∀≦)……おじさんがやっても可愛くとも何ともないな。フッーと息を吐いて呼吸を整える。よし、心の準備はできた。


「シャドウ・ウォーク!」

スキルを発動させるとまず自分の影の中にはいる。影の中は暗いが不思議と外の景色は見える。もちろん聴覚も嗅覚も感じられる。エレベーターにいるゴブリンをAとしよう。対象Aは廊下を歩いて周囲を警戒し、見張りをしているみたいだ。そのままAの影に移動し、緊張しながら影からでる。Aは俺に気づいておらず、俺は即座に剣を取り出して一気に横薙ぎに一閃。ゴブリンAは声も発せられずに首が地面に落ちた瞬間物凄い勢いで緑色の血しぶきを上げて倒れる。


「うわあ、こんなに激しく血しぶきを噴き出すのか……」


服も体もべったりと緑色の血に染まってしまった。誰かに見られていたら悲鳴をあげられそして気絶するだろうな。何しろ匂いがひどい……部屋に戻ってシャワーを浴びたいくらいだ。そうこうしてるうちに死体はゲームの様に何処かに消え、その跡に青い石を残して死体は消えた。俺は石を拾い《ダークリカバリー》に収納する。その後物すぐさま陰に隠れて服を脱いで水魔法を使い体全体と洋服についた血を洗い流す。その後火魔法を調節して服を乾かした。これからは緊急事態以外は首を飛ばすのは控えよう………


よし、気を取り直して次はこの階にある一番奥の部屋にいる5体のゴブリンだ。俺は風読みと気配感知で位置を確認しながら部屋の前まで来る。まだゴブリン達は俺には気づいていないみたいだ。その他の部屋にはモンスター達がいないことは確認したので一気に部屋に侵入してゴブリンを制圧しよう。


俺は上空に手を向けてボイス・サイレントを発動し俺の周囲の音を消してから「ガチャ」っとドアノブを強くつかみ、勢い良くドアを開く。中にいたゴブリン達は俺に気づいてない。こちらに振り向いてばれる前に拘束する!俺はサイレントボイスのスキルの効果を消して拘束するようにイメージしながらシャドウ・チェーンを発動する。


ゴブリン達の影から鎖が現れて拘束をしていく。ゴブリン達は「ギギギ、ギイイイイイ」と騒ぎながら鎖を切ろうとしている。無駄だ、かなり濃度の高い魔力を練って発動したのでゴブリンごとき目は身動き一つ出来ないだろう。俺は広範囲にいるゴブリン達に魔力を極力温存したいので魔法剣を奴らの心臓を狙い一気に突き刺す。恐怖耐性とストレス耐性のお陰かゴブリンAの時も感じたが抵抗力も吐き気も感じないため作業の様にゴブリン達を一突きに倒せた。暫くするとゴブリンの死体は消え、青色の小石が部屋に転がった。


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV1から3に上がりました》

《ストレス耐性がLV2に上がりました》


頭の中に声が響く。どうやら、今のでレベルとストレス耐性が上がったようだ。あとでスキルのレベルも上げよう。


「ふぅー・・・」

大きなため息をついて、俺はその場に座り込む。ああ、疲れた。恐怖耐性のスキルがあるとしてもやはり怖いものだな。いやー、なんとか殲滅出来てよかった。でも、あれだな。初めて自分で意識してモンスターを殺したが、やれば出来るもんだな。ステータスを確認してから部屋の中のものを回収して次の階にいこうっと。

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