ダチュラ ー虚飾に満ちた躁鬱病ー

Yutaka

1. 汚れかけの心

物心がついた頃には、ビルに囲まれた大都会の中心に居た。

厳しい家庭で産まれ育ち、当時から表と裏の顔を持つ子供だった。

とにかく親の顔色を伺い、「怒られたくない」その一心。

何がそうさせたのか。そのきっかけは分からないけど

幼少期は楽しい記憶より、両親のケンカばかりが浮かぶ。

3歳下に弟が生まれていたが、小児がんで幼くして亡くなった。

僕が物心ついた頃には入院している弟の為に両親は入れ替わりで付き添い

時には不在とゆう日もあった。

不在の時は親戚が来たり、隣の家族の家に世話になったりと

1人で過ごすとゆうことはあまりなかった。

当時の医療では回復とゆうのはとても難しく、頑張りも空しく弟は亡くなってしまった訳だが、それからは本当に毎日ケンカを見る日々。

「私が殺したって言いたいの!!!!」と発狂する母

ガラスを割り血だらけ父を見て、益々萎縮していったのかもしれない。

誰に教わった訳でもなく外では嘘つきで、小さな嘘をつくことが日常になっていた。

小学校に入ると、嘘をつく習慣は習い事にまで発展。

計算高くずる休みを繰り返したり。

周囲には真面目に思われたり、明るくて、素直な子とゆう評価をされていたが

裏の顔は全く可愛げのない男の子だった。

そんな僕に唯一神様が与えてくれたのは周りの環境だったのかもしれない。

学校や入ってた野球チームでは中心になったり、友達にも恵まれていた。

そのありがたみは当時は分からなかったが、環境に恵まれていなかったら

イジメにあっていたり、もっと劣悪な人間になっていたかもしれない。

小学校4年生の頃両親は離婚寸前までいき、遂には父が2年程帰ってこなかったことがあった。原因は父の浮気だった。

ある日の朝ケンカをしている声で目を覚ますと

「お父さん離婚したいんだって」と言われ、離婚の意味も知らない当時は

「へ~。」としか言えなかった。

結論から話すと、母の頑なな離婚拒否によって現在一緒に暮らしている。

弟が亡くなり、6歳離れた妹が生まれたが

僕も、妹も、現在の関係図が全く理解できていない所はある。

何故離婚しなかったのか。何故何事もなかったかのように居れるのか。

浮気相手の名前を書いた藁人形を燃やす母の姿や、自殺しようとしたり

「一緒に死のうか。」と包丁を向けられたこともある。

いつしか涙を流す心も無くなった僕は

寧ろ父がいない環境の方が自由にさえ感じてきていた。

3年後には父が何事もなかったかのように一緒に暮らしていたが

当時の僕や妹は何が起きているのか正直全然分からなかった。

反抗期に入った中学は自分でも何に怒っているのか分からないぐらい反発していた。

そのまま違う道に行ってもおかしくなかったが、周りにはそうゆう人が居なくて

普通の中学校生活は送れていた。

ただ一つ、自分の意見を言えない。

他人の評価ばかりを気にする事が多くなり、その後の高校生活に大きな影響を及ぼすことになる。

全く勉強ができなかった僕は、スポーツ推薦で私立の高校に進む。

中学も続けていた野球でその道は開かれた。

本当はやりたくなかった。

やりたくないけど、行きたい学校もないとゆう本当に中途半端な状態だった事から

自分の意識と裏腹に野球をすることになるが

意識の低い僕には独特なルールや制限。

上下関係が苦手とゆうよりも嫌いだった僕は練習には耐えられたが、学校生活には全く耐えられなかった。

その結果2ヶ月目にして不登校になり、両親に止められても一方的に退学の道を選んだ。

その後は地元の飲食店でアルバイトをするが親への反発が益々大きくなり

家出を繰り返し、夜中まで遊び倒すことが日常だった。

その年の9月には通信制の学校に通う事になるが、たった半年で留年を決める。

当時はただひたすらに「親に迷惑を掛ける」事だけを考え

学校行かないのも。自分がこうなったのも。

全部を親のせいにして、自分の夢や希望は全く持ってなかった。

ただ今を楽しみ、当時を振り返れば、腫物を触るかのように両親は気を遣っていたのかもしれない。

僕は結局高校生活を4年で終えるが両親に感謝することなくやりたいようにやっていた。

頑張ることや、努力すること。そして何より人のせいにして生きること。

僕はこうして19歳を迎えた。



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