魔物っているんだよな

「おとぎ話の魔物と本当に戦う事になるとは!」


 なぜRPGには魔物がいるのか。我々はそんな事を考えた事はない。


 だが主人公(以下アルス)やキーファたちにとっては、それこそ魔物などいない世界、すなわち我々とほとんど同じような感覚で過ごして来た訳である。



 そんな中にいきなり魔物、間違いなくこちらを害しようとする存在が出て来たらどうなるか。



 ただのスライムだろ、ザコキャラだろ。そんな言葉が通じるのは私たちが全くただのプレイヤーであり、部外者だからである。そして、「スライム=弱い」「最初に出会う敵=弱い」と言う先入観を持っているからである。


 アルスたちには、そんな物はない。文字通りの怪物であり、敵である。わからないから、ただ恐ろしい。ましてやいきなりどこか分からない場所に飛ばされた上でだから、なお恐ろしい。




 だがその上でプレイヤーとしては、ようやくまともなドラクエをやっている気分になれる。戦闘をし、レベルを上げ、武装を整え、ついでにタンスを漁りツボを割り……


 しかしご存知の通りドラクエⅦ、なかなか後味が良くならない。いきなり村が災難に巻き込まれているのはまだともかく、それを真に開放するには恩人とも言うべきマチルダを斬らねばならない。


 あなたはマチルダを殺しただろうか。


 私は殺した、彼女がしろと言うから。とりあえず、初回プレイと同じように。


 もし意見があるならば、寄せてもらいたい。





 後に現代に戻ると、過去と同じ島が現れ、洞窟にモンスターが出て来る。


 これこそ、ドラクエⅦでもある。この楽しみが、紛れもないこのゲームの価値である。

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