【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
【一章:状態異常耐性とアルラウネ】
第1話 とあるEランク冒険者の心の中
いつかきっといいことがある。
まじめにやってさえいればいつか報われる。
今が苦しくたって、いつか笑えればそれで良い。
――辛さを忘れさせてくれる、魔法の言葉。今でも彼の胸に刻まれている亡くなった母からの言葉だった。
その"いつか"は、一体いつなんだ?
真面目にしていることは良いことだけども、みんなそうしているのか?
みんなはいつも楽しそうに見えるけれども、自分は生きていて楽しいか?
――世界と自分を見比べた時、底辺の自分は幸せよりも"生きてゆく"のがやっとだと思い知る。
結局世の中は、もともと“持つ者”と、もともと”持っていない者”に別れている。
持っていないない者は、真面目にするくらいしかできることはない。
だけども真面目で”持っていない者”はいつも貧乏くじばかり引かされる。
”持つ者”にこき使われ、私の成果は私の成果、貴方の成果も私の成果なのである。
――やはりこれが避けようのない“Eランク冒険者クルスを取り巻く現状だった。
笑っていられるのはほんの一握りの人間だけで、彼を含む大多数の持たない者は苦しみばかりの世界で生きている。
だけどもたった一つだけ、彼には夢があった。希望があった。三十を超えても尚、冒険者を続けて来られたのは、目標があったからだった。
――溜めた魔力を使って、昇段要件である魔法を行使し、等級を上げる。
あくまで内からの力である魔力は、外からの獲得では質が劣り、十倍以上の量を獲得せねばならなかった。
ロクに魔法を使えぬ戦士は人でなし――これが聖王国の基本的な考え方である。
だからこそクルスは十数年、耐え難きことを耐え続け、必死に魔力を集め続けていた。
Dランク冒険者にさえなれば。きっと報われる筈。幸せになれる筈。
いつも笑っていられるようになる筈――そう強く信じて。
だが彼は、今当に選択を迫られていた。必死にかき集めた“唯一の希望”を掛けるか否かの渦中にあった。
「ク、クルス頼む! 助けてくれっ……!!」
絶対的な状況の中、パーティーリーダーの魔法剣士:フォーミュラがそう叫ぶ。
彼らの命運はEランク冒険者クルスに委ねられていたのである。
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