深海に昇る月

深海に昇る月 揺れて

空を探す魚を呼んだ。

君はそれをただ眺めては

とても可愛いねと笑うんだ。


いつも、

少し喉に詰まった声で

僕を。


闇夜に浮かぶ月 光って

もう行くよ、と

歩き出すから

なんて意地悪な足音

魚はどうして海に居る?


いつも、

不思議そうに首を傾げている。


月を見上げてばかりの僕は

空に咲く為に生まれた

深海に月は昇るけれど

此処じゃないんだ

ねぇ君の後ろを泳いでいい?

まっすぐに空に上がるよ

まっすぐに空に昇るよ

まっすぐに、


空へ。


深海に昇る月 揺れて

空を探す魚を呼んだ、

それは知ってるよ本当は

君の声だってこと。

…呼んでいる、


いつも、

少し喉に詰まった声で

僕を。


ねぇ君の後ろを泳いでいい?

まっすぐに空に上がるよ

まっすぐに空に昇るよ

待って居て、


空で。


空で咲く為に、

君の側で、

空に咲く為に僕は生まれたんだ。

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