カリカチュア

無邪気な瞳で虻の羽根を千切って

可愛らしい好奇心でそれを殺した。

そして死骸を踏みつけては

また新しい獲物を探し出す。

何処まで行っても足りなくて

だってすぐに羽根を千切ってしまうから。

何処まで行っても飽きなくて

だって必ず苦しむから。

おもしろくて。

笑い声を空に響かせて歩いて

ねぇ、何処まで行こうか。

全部自分のものにしてしまおうか。

そうしようか。


無邪気な瞳で全てを欲しがって

可愛らしい好奇心でみんな殺した――――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る