第28話 急にキャラ変えるのやめて!

ふわふわちゃんこと、宮野姫華がベッドの上で僕に微笑んでいる。うん。素晴らしい光景だ。


「ど、どうしたの?宮野さん」


「一ノ瀬君は?」


「ぼ、僕は・・・サボり」


宮野は目を丸くした。


「へぇ、意外!一ノ瀬君君みたいな真面目な人でもサボるんだね。まあ私もなんだけど」


「そ、そうなんだ。 宮野さんでもサボるんだね」


宮野こそ真面目そうな子なのに。


「たまに、全てが面倒臭くなることってない?」


「え?」


「私はあるよ。何もかも壊したくなる時とか」


「宮野さん?」


なんだろう。宮野の様子が変だ。目が笑ってない。


「なんてね?驚いたー?」


「え!?」


宮野はいつもの顔に戻って居た。


「やーだな。冗談に決まってるじゃない」


「な、なんで!」


「えー?一ノ瀬君の反応が見たかったからかなぁ?」


「なんか宮野さん、キャラ違うくない」


もっとこう可愛くて大人しい子だと思ってたんだけど。


「一ノ瀬君って面白いね!私、一ノ瀬君のこと好きだな!」


落ち着け。女子が言う好きなんて、女子が絵文字にハートを打つくらい意味がないのと同じだ。喜ぶな僕!!


「あ、ありがとう」


「おやおや?一ノ瀬君みたいな反応は珍しいなぁ」


そりゃ、他の男ならここでメロメロになるでしょうよ。


「一ノ瀬君って本当・・・面白い」


「だ、から!急にキャラ変えるのやめて!」


もうなんなんだよ!この子!


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