第25話 それはどうかと思うの
「でも、前世の事を思い出したのに、現世の記憶が無くなるなんて、大変だな」
「ああ。現世の自分の名前も何もかも、忘れてしまったからな」
それは本当に苦労したのだろう。それなのに、変人扱いされるなんて。僕は少し、森川麗子に同情した。
「よく記憶が無いままで、この高校受かったね」
「記憶は無いが、森川麗子の能力は残ってるみたいなんだ。森川麗子は文武両道だったらしい。運動神経も頭の良さも抜群だ」
「おまけに美人だしな」
僕がそう言うと、森川麗子はキョトンとした。しまった。余計な事を言ってしまった。
「お前も私の顔が美人だと思うのか?」
「いや、まあ、そりゃ」
かなりのレベルの容姿だと思いますよ。てか、復讐相手にこんなに呑気に話していいのか?
「ふむ。この姿になってから、多くの男性に愛を告げられた」
「付き合ったんでしょ?」
「勿論だ。せっかく愛を告げてくれたんだから、断るのは失礼だろう。女でも勿論、受け入れたぞ」
「そ、それはどうかと思う」
いや、偏見が無いことはいいと思うよ。うん。
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