第21話 復讐してやる!
「・・・可愛いより美人だと思う」
「っ!?そ、そんな事を言うな!私を口説いてるつもりか!?」
今度は腹に蹴りが入る。ひどい。
「そ、それより、なんで僕に何の用だ?」
「何の用だと?」
「別に僕は、今は悪いことしてないし。もう前世は関係ないんだよ」
「お前、本当にあのアルヴァロ・ケンドリック・バーンズか?極悪非道の・・・」
「アルヴァロ・ケンドリック・バーンズ?」
僕ってそんな名前だったんだ・・・。長い名前だな。
「まさか、自分の名前も分からないと?」
「そうなんだよね。記憶が戻ったのも最近だし。記憶も薄ぼんやりとしか・・・」
「お前!自分が何をしたのか忘れたのか!?」
急にウィル・ウォーレスの顔色が変わった。
「な、何をしたって・・・」
「前世で、お前は何人殺したと思ってる!!」
「っー!?」
前世での行い。僕は魔王だった頃の記憶は曖昧だ。
自分が何をしたのかなんて覚えてない。とにかくたくさんの人に、恨まれていたことだけは覚えている。あと、友達を欲しがっていたことしか。
「忘れたなんて言わせない!私はお前を許さない!」
「そ、そんな事を言われても」
「一ノ瀬葵。私はお前に復讐してやる!これからの学校生活、覚悟しておくんだな」
ウィル・ウォーレスは、そう言い切って僕に背を向けた。肩が怒りで震えている。
「あ、の」
「なんだ」
「名前聞いてもいい?」
「は?だから、ウィル・ウォーレスだと・・・ああ、森川麗子だ」
ウィル・ウォーレス、改め森川麗子。本当に厄介な存在が現れた。
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