第19話 僕何かしましたっけ?

入学して二週間が経った。早いものだ。

最初はどうなることかと思ったが、なんだかんだで上手く学校生活出来たてると思う。友達も出来たし。

今後の目標は、クラスの中で友達を作る事だ。頑張ろう。


昼休み。

僕は一人でお弁当を食べる。とりあえず、ぼっち飯を卒業したい。


「あ、飲み物・・・」


今日は水筒を家に忘れてしまった。僕としたことが。

僕は飲み物を買いに一回の自販機に向かった。


昼休みの自販機って混むから嫌なんだよな。


「一ノ瀬!」


「ん?」


誰かが僕を呼んだ。後ろを向くと、女子生徒が立っていた。どちら様?


「あの?」


「一ノ瀬だな」


「は、はい!」


な、なんか、怒ってらっしゃる?

僕、何かしましたっけ?


「・・・私の事覚えてないのか」


女子生徒は鋭い目つきで、僕を睨みつける。だって、本当に覚えてない。腰まで届く豊かな黒髪、切れ長の目、白い肌。こんなに綺麗な子一回見たら忘れないはずなんだが。


「はぁ。仕方ない」


「へ?ってうぉえ!?」


いきなり女子生徒が飛び蹴りをして来た。

足が僕の首に直撃する。そして吹っ飛ぶ僕。


「なっ!」


僕何かしましたっけ?


「おい、私のこと忘れたのか!?」


「忘れたのも何も、どこでお会いしましたっけ?」


僕は震える声で答える。女子生徒は唖然とする。


「ウィル・ウォーレス。お前を倒した勇者だ」






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