お前の父ちゃんプロゲーマー

ゲームセンターお松

第1話 お前の父ちゃんプロゲーマー

「お前の父ちゃんさ、プロゲーマーなんだろ?」

小学校に入って早5年。ヒロシはこの質問にウンザリしていた。


「・・・そうだよ。」

「マジ!ダッセー!」


矢継ぎ早に他の児童も加わる。


「ゲームしてお金もらってんの?遊んでるだけじゃん。」

「お母さんがそういうのはニートだっていってたよ!」

「しかも、ヒロシの父さん、こないだも負けてたじゃん。弱いんでしょ?」


もう、こんなの、聞き飽きたんだよ!


ヒロシはいの一番にバカにしてきた同級生のスネ目掛けて、思いっきり蹴りをかました。


「痛えっ!」

「おい!ユウイチ!大丈夫?」


やべっ。やりすぎた。

ヒロシは大急ぎでランドセルを背負って教室から出て行った。


「てめえ!ヒロシ!覚えてろよ!」


ユウイチの叫びが空しく響き渡る。


ヒロシは走りながら

「忘れるかよ。バーカ」

と呟いた。

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