星間共通歴833年12月20日 記述者:フランシス・ラスホーゲン
…日誌ってアタシ、嫌いなのよねえ…
それこそエレメンタリイの頃に、当時の教師が無理矢理書かせたりするからいけないんだわ。
あーあ、アタシもナヴィちゃんの様に通信教育でも受けたかったわ。
あ、今日あったことね。
ああそうそう、今日はお買い物よ。
せっかくクリスマスも近いんだから、やっぱりお買い物よ。
で、近くのショッピングステーション「セミラミス」へ行きたい奴を募って行くことになったの。
でも結構「行きたい!」って言いそうな奴が行かなくて、意外な奴が行こうと言うものね。
アタシとナヴィとおかみさんと、それとみっしぇると船長が行くことになったのよ! ポムの奴は絶対行くと思ったのになあ。
で、アタシ、ははーんと思って、船長の後つけてったわけ。
こりゃ絶対、隊長宛のプレゼントを何か物色しに来たんだなあ、って。
でもさすが船長よね。途中でアタシに気付いてさ。二度まかれたわ、二度もよ!! このアタシが!!
それでいてちゃあかと約束の予定の集合場所にはあのにこにこ笑いで現れてさ、「フランに似合いそうな宝石がありましたよ」なんて言うのよ?
もちろん船長がそれを買ってくる訳がないじゃない。あのひとは隊長以外何も目に入ってないんだからさ。
あ、で、見に行ったかって? 行ったわよ! 当然でしょ!
持っていけって言わんがばかりの20カラットの「ハレイション」の胸飾りよ!
「ハレイション」! あの美しさは、確か放浪の詩人アラド・ファンティールが繰り返しその作品の中に登場させたわ。
うーん、うずうず。
と言うわけで、アタシ、皆を先に帰してから、その「ハレイション」を取りに行ったわ。
え? 無論今、アタシの手元にあるのは当然じゃない。
だけど、よ!
ったく船長ったら、アタシにそうゆうことさせて、「セミラミス」のガード・システムを開放させてさ、それを隊長に一気に攻め込ませてるのよ?
ま、無論隊長だから、そんなもの、一気にやっちまうんだけどさ。
でもあとで聞いたら、それも「予行演習」だの「ゲーム」だの、だもんね。全くもう。
でも今日隊長に遊ばせたってことは、それはクリスマスプレゼントって訳じゃあないのよね。
…じゃあ本当のクリスマスプレゼントって何かしら? 気になるわ。
明日はボムの奴ね。がんばってねー
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