イェライシャンの花床

月白鳥

簡単なキャラ紹介

〇夜来(イェラ)

 寄生植物『苗花ナエバナ』に寄生された異形の男。誰も年を数えてくれなかったので正確な年齢は不明だが、二十歳半ばよりは年下であることが分かっている。首から上が六角の花器のような形状をしており、その中と右肩にそれぞれ苗花が寄生。背の高い白人系の男性。

 端正な容姿と肉体、そして人間離れした生命力の高さを誇る最高品質の宿主であり、二十種・百本以上の苗花に寄生されながら、尚十人を束にして殴り飛ばす猛烈さの持ち主。その分飼い主に対する要求量も半端ではなく、今までに少なくとも十人の飼い主を破産させ、その内の五人を食い殺していると言う。現在は花に血の気を吸われて若干丸くなったものの、それでも凶暴で気性の荒い男であることに違いはない。

 現在は物好きな金持ちの男のとして、悠々自適のごく潰し生活を満喫中。しかしながら、過去の飼い主から受けてきた劣悪な扱いが忘れられず、人間に対しての不信感が強い。

 現在の飼い主は『温厚で悪趣味な変態』と思っている。でも(色々な意味で)逆らうに逆らえないところが多く、何だかんだ新婚(?)生活二年目に突入。相性自体は悪くない。

 ちなみに、イェラの名の由来は彼が最初に植え付けられた苗花が夜来香イェライシャンであったことにちなむ。本人はそれまで『榾木ほだぎ』と名乗っていた。

 飼い主に散々弄られたせいで、夜来香の花びらを撫でられると感じるようになってしまった。


〇金持ちの男

 比類なき財力で苗花を飼っている、イェラにとっては十一人目の飼い主。蔓草模様の金具に布の垂れたような姿を頭を持つ異形の者。何故か苗花の寄生対象にはならず、余裕綽々で苗花を愛でている。元は褐色系の小デブだったのだが、此処最近イェラにられてマッチョ体系に変貌しつつある。石油王。

 花や美しいものを愛でる趣味を持つ。中でも苗花に目がなく、数十人の宿主を養う名伯楽。だが苗花の養育に対する適性が壊滅的に無く、管理のスケジュールなどを全てイェラに丸投げしているポンコツ飼い主。養育に対する金銭をケチる男ではないので、総合的に見れば宿主に人間と同等の扱いをさせてやっている良い飼い主と言えなくもない。

 基本的には穏やかで起伏の少ない性格をしており、何かを無暗に痛めつけたり虐待したりするのは、曰く「面倒」なのでやらないと言い切るあっさりとした人。執着心や親心と言ったものが極端に少なく、か弱いものを養育するということに対してとことん興味を抱けない。が、自分と対等な目線にまで這い上がってきた者には、一転して強い興味を抱くようになる。

 イェラの夜来香の香りに一目ぼれし、わざわざ籍を与えて婚姻関係を結んだ筋金入りの変人。しかし、実際付き合ってみると妙に相性が良かったので、出来れば関係が長続きすればいいとこっそり思っている。破局する兆候は今のところない。

 女性や性的な事項にほとんど興味を持てない無性愛者……と自分では思っていたが、興味本位でイェラに夜伽をさせたら二人して妙にハマってしまった。

 もしかするとイェラだけは好きなのかもしれない。詳細は不明。

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