第3話 朝の日常その1
「いって、まだ鼻がヒリヒリするな」
あの後、気絶をしていた俺はまたもや飛鳥のお腹ダイブによって目を覚まされ、顔とお腹のダメージで悶絶していた所に、更に追い討ちとして、香織から「お腹痛そうだし、今日の朝食は要らないよね?」と言う、男子高校生にとっては悪魔の宣告とも等しい言葉を発しやがったのだ。
流石にそれはっ!と思い、反論しようとしたが、香織の絶対零度の笑顔を向けられ、俺は反抗する事も出来ず、その場から早く脱出する為に直ぐに鞄を持って外に出て、今は高校に登校している所なのである。
しかし、今日の香織はいつにも増して過激だったなぁ〜
なんでか、今日は飛鳥に過激な事を教えるは、胸の事を指摘しただけで、フライパンが飛んでくるわで、一体どうしたというのだろうか?
いつもだったら、もっと穏便なのだが…
うーむ分からん…と言う風に考えていると、後ろからタタタタッタっという音が聞こえてきて…
「ユーちゃん、おはようー‼︎」
と思いっきり背中を叩いかれながら、そんなセリフが聞こえてきたのだった。
めっちゃ、イテー!思わず、前屈みな状態なってしまったけど、まじでなんなんだ今日は⁉︎、皆んな俺の身体に恨みでもあるのか⁉︎
てか、今日なんか皆さん当たりが強すぎません?
幾らなんでも、俺の身体が持たないよ…?
「あれ、ユーちゃん、今日調子悪いの?
大丈夫?
えっ、ちょっとお鼻赤くなってるけど大
丈夫なの⁈」
そんな風に少しセンチメンタルになっている所に、先程の背中を叩いた元凶が、俺の顔を覗きこんできたので、思わずそいつの顔にアイアンクローをぶちかましながら、俺は立ち上がったのだった。
「痛ーい‼︎!
ちょっと、ユーちゃんマジで痛いんだけ
ど⁉︎
今日いつもよりも、痛いんですけど⁉︎
本当にギブギブ〜!」
今、俺がアイアンクローをして、悲鳴を上げている人物は東山柚月といい、小学校からの付き合いの所謂幼馴染の一人であり、容姿は、髪は茶髪の肩までの長さのセミロングで、少しゆるふわな感じでもっこりとしており、顔の造形は小動物のよう可愛らしい感じで、身長は女子にしては高めで、スタイルは香織と違って、少しむっちりとしているが、一部分が豊かに育っている、所謂美少女というやつなのだが、こいつの性格は、某漫画キャラの猪頭みたいに、兎に角、何事にも全力で突進すると言う癖があり、先程みたいな人的被害が起こる、はた迷惑なやつなのである。
その為、罰として、こいつにアイアンクローをするのも、そんなに珍しい事でもなかったりする。
流石に、女の子にこれをするのは可哀想かなぁ〜、と思う時もあるのだが、今朝は色んな所に身体のダメージを負っているのにも関わらず、そこに更に背中のダメージを喰らわされたので、八つ当たりに近い感じで、罰を施行する。
「ほう、それは良かった。
痛いようにしているんだからなぁ!
今朝から飛鳥や香織にもやられるしで、
もう疲労困憊な所にお前が更に追い討ち
をかけるような事をしたから、今日の罰
は久々にマックスでやらせてもうぞ!」
「ちょっと、待って⁉︎
罰が重いのって、それが原因⁉︎
いつもと変わらない感じで私叩いただけ
なんですけど⁉︎
それで、罰が重くなるとか、流石に理不
尽だと思います‼︎」
「うるせー!
お前が、そもそも、普通に声を掛ければ
いいだけの話だろ!
なんで、いつも俺の背中を全力で叩くん
だよ⁉︎」
「だって、そこにユーちゃんの背中がある
から(キリッ)」
と、名言ぽく言って、顔をキリッとさせる柚月。
アイアンクローされてる状況でこれは中々、シュールな感じだな…
まぁ、イラっとしたので取り敢えず、指でコメ噛みをグリグリの刑も追加
「うぎゃー⁉︎
もっと痛くなったー‼︎
これ以上はダメー‼︎
私の頭が馬鹿になっちゃうー!」
そう言ってきたので、一旦、罰は中断
「あれ、痛くなくなった…」
「安心しろ。」
俺がそう言うと、柚月はこちらを不思議な表情をして「ユーちゃん?」と呟いた。
俺はそんな柚月に対してキメ顔でハッキリと宣言する。
「お前は元々、真性の馬鹿なのだから、
これ以上馬鹿になる事もないのだから、
気にする必要はない!」
「ひどーい!
私、馬鹿じゃないもん⁉︎
ユーちゃんよりも頭いいからね⁉︎
バーカ、アーホ、変態、スケコマシ‼︎」
と、曰う柚月の発言に俺はビキッと青筋が立つ。
こいつの言うことは一部は正しく、勉強に関してだけで言えば、意外にも頭がいいので、テストでも総合順位20位以上なのである。
ただ、俺も同じくらいの順位で、大体は俺の方が勝っているのだが、高校1年の最後の期末テストの時に久しぶりに、こいつに総合順位で負けてしまい、それ以来、このような戯言を宣っているのである。
てか、こいつ勉強以外にもなんか暴言を吐いていてるので、罰を再開‼︎
「ピギャー‼︎
痛い痛い痛い‼︎」
「柚月。
とりあえず、言う事が有るんじゃないか?
ん?」
「えっ?
なんの事?
……朝から美少女な私を歯牙にかける変
態さん?」
更に俺は青筋が立つ。
「あれ、ユーちゃん…?
痛いのそうなんだけど、顔が般若みたい
に…?」
…こいつ、今の状態でまだ、こちらを煽るか…
いいだろう、その経緯を評して、グーパングリグリの刑に変更‼︎
「イヤー‼︎
更に罰が重くなった〜
誰か助けてー‼︎」
と、悲鳴を上げる柚月の声を聞きながら、空を見上げて、こう思うのだった。
あー、今日も一日平和だなぁー、と
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