異世界から連れてきた女の子達と秋葉で喫茶店を経営するお話
月浜咲
プロローグ
「いらっしゃいませー」
東京都秋葉原某所にある十階建てのビル。
そこの各階には、個性的な喫茶店が揃っている。
姉喫茶、化け猫喫茶、牧場喫茶など……人気が落ちれば即新しい喫茶と入れ替わりさせられるという、まさに生き残りをかけた弱肉強食の世界。
そんなビルの最上階にて、僕らも『とあるコンセプト』の喫茶店を営業している。
「ご注文ですねっ? はいっ、【ファフニールの唐揚げ】と【世界樹の樹液ジュース】ですねっ、少々お待ちくださーいねっ☆」
「何? 『あっちで寝てるツノと羽の生えた可愛い幼女とそこで跳ねてるゼリー状の可愛い生き物は何だ』とな? う、うむ、どちらもマスコットだ。あっちのは【竜神】で、気まぐれに文明を終焉へと導く暴君だ。そこのは【ソーダスライム】で、食べるとシュワシュワと甘……そ、そこの貴様! 今私をカメラで撮ろうとしたな! 斬り捨てる!」
「【(ゴニョゴニョ)のネバネバパスタ】よ。……今瞬間移動して来なかったかって? 何を頭の沸いた事を」
「ありがとうございました、またのお越しを……は? 連絡先を、ですの? ……その顔でわたくしを口説こうとはっ、二度とそんな口を聞けぬよう『ウチの者』に舌を抜かせてもいいんですのよっ」
店員が基本口の悪い〈ドS喫茶〉、ではない。
ここの店員は『魔王、お姫様、天使、女剣士』など、殆どが【異世界人】で占め、出す料理も異世界産という〈異世界喫茶〉なのだ。
オープンは何と昨日。おかげさまで今日もお客の入りは良い。この日を迎えるまでには色々あった。そう……始まりは数週間前――
あ、回想入ります。
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