鏡面世界の考察
昆布 海胆
鏡面世界の考察
一人の男が鏡の前で立っていた。
男は鏡に映る自分を見て考えた・・・
「何故鏡は左右は逆になるのに上下は逆にならないのだろう・・・」
そこで男はその謎を解き明かす為に何故か服を脱いだ。
不純物を全て取り除いた自分と言う個体のみを鏡に映して観測を行えば違う結果が起こると考えたのだ。
男の研究は数時間にも及んだ・・・
鏡の前で様々なポーズをとったり、離れたり近付いたり、時には鏡の中の自分に話しかけたり・・・
そうして男が研究し続けた結果・・・
男は風邪を引いた。
「うぐぐ・・・これは鏡の試練なのか・・・」
全裸で数時間居たために体調を崩した男、結局謎が解けないままの男・・・
しかし、その時彼の目に飛び込んできたそれに彼は飛び起きた!
鏡の前に布団を敷いて横になっていた為に気付いたのだ。
「そうか、私は思い違いをしていた!」
そう、横になって寝ている男の体は左右が反転していた。
つまり、この時第三者から見たとしても男の姿は上下が反転していたのだ!
男は歓喜のあまり部屋を飛び出した!
「そうだ!そうなんだ!これは錯視の一種だったんだ!」
そう叫ぶ彼が数秒後に体調不良で倒れるのは言うまでもないだろう・・・
鏡の真実、それは左右の反転ではなく前後・・・つまり手前と奥の反転だという事実に彼が気付けたのか・・・
それは熱で意識が朦朧として記憶を失った男からは聞く事が出来なかった・・・
完
鏡面世界の考察 昆布 海胆 @onimix
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます