双子の転生日記

優羽

第1話 まさかの2人して転生!?(改)

「早く行こうぜ、優羽ひろは

またこの夢だ。なんで夢かわかるって思うでしょ?それはねこの記憶は『前世』で私と双子の弟である優貴ゆうきが死んだ記憶だから。だって行っちゃダメって思ってるのに体が勝手に動いてるんだもん…私たちが死んだ理由は車の信号無視。本当に平和な人生を歩むはずがこんな信号無視で死ぬなんてなぁ…

(車がぶつかる!)

そう思った途端にぱちっと目を覚ます。隣には

「おはよう、姉様。やっと起きた。」

「おはよう、カール。今何時かしら?」

私とカールの部屋は別なはず。なのにいるならおおかた私が寝坊した時だ。

「大体、十三時。いつも通りの朝寝坊だね。」

「うぅぅ…また同じ夢よ。嫌になるわ。」

いつもこの夢を見ると寝坊する。たまに私は悲鳴を上げて飛び起きる。だから大体睡眠薬なんだけど…不健康だから偶に飲まないで眠るようにしてるのよね…でも今日は久しぶりに普通に起きれた。慣れてきちゃったのかしら。

「普通に話せ、姉貴。使用人いねーんだから。」

「あっ、なーんだ。カールがいるからてっきりいるのかと思ってた。」

「呼び方も優貴がいい…」

「それはダメ。ここの世界では私たちはカリーナとカールなんだから。」

「分かってる…でも偶に懐かしくなる…」

「本当小さい頃から少し寂しがり屋ねぇ…私はカールが大好きよ。」

そしてヨシヨシと頭を撫でると

「そ、そんなんじゃねーよ!」

顔を真っ赤にして怒るカールを見ると『前世』の優貴を思い出す。私たち双子は前に日本という国に住んでいた記憶をもつ。そして、この世界は前世で私たちが大好きだった乙女ゲームとRPGゲームがあわさった世界。普通のネット小説なんかだったら私たちは悪役などの位置のはずなのに私たちが転生したのは主人公。しかも乙女ゲームの主人公であるカリーナ・ブラックとRPGゲームの主人公であるカール・ブラック。私たちは生き別れの双子の姉弟。結局私たちを離ればなれにさせたいのかと思ったけど思い出したのがまだ始まる前だからカールはいるし、私は乙女ゲームよりRPGゲームの方が好きだし…まぁしかしこの乙女ゲームの世界に転生してよかったと思うのは私の推しであるカルヴィン・オールブライト様に会えること!

まぁ今はまだ5才。RPGゲームも乙女ゲームも始まるのはまだ先。10才からRPGゲームがそして乙女ゲームは15歳から。もう少しの我慢だ。

「あー楽しみだなぁ…早く会いたいですわカルヴィン様!」

「姉ちゃんが元気で何よりだよ…」

「うふふ。カルヴィン様に会えるなんて…はぁ…」

「姉ちゃん、俺の事手伝ってくれるよな?」

「当たり前じゃない。ダンジョン攻略は5年で終わらせるわ!ただでさえカルヴィン様は1年上で一緒にいられる時間が少ないのにこれ以上少なくさせるなんて論外!」

「カルに会いたいなら会わせてやるから5年はやめようぜ?」

「まぁ!カルヴィン様に会えるの!?ていうかなんで呼び捨て兼あだ名よぉぉ」

グラグラと詰め寄ると

「俺男だから社交のためって色々舞踏会とかに連れ去られてるんだよ…そんときに会った。」

「ずるっ!ね、会わせて?カルヴィン様に会わせて?」

「なんでそうなる…5年はいくらなんでも無理だろ!」

「いいえ、私たち二人ならできるわ!」

必ずやり遂げる約束するわ!と続けると

「マジでカルが好きだよな。」

「当たり前じゃない!あんなに大人っぽい人いる!?」

「いないとは思うが…カルってかなり過去も暗いじゃねぇか」

「そこが素敵なのよ!あんなにも大人っぽいようにみせておきながら」

私の推しカルヴィン・オールブライト様は大人っぽい口調と見た目に騙されやすいが本当は復讐に燃える方だ。幼い頃に両親が殺されその理由を探している。そしてその穴を埋めるのがカールだ。ダンジョン攻略に誘い仲間を見つけてくれ孤独をなくしてあげる。まぁでも…彼は復讐を忘れてはいないのだけど…15歳彼は乙女ゲームの舞台の学園へ。そこからが本格的に彼の復讐が始まるのだ。

これは日本から転生し推しのために奔走する姉とそれを抑える弟の物語だ。

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