思ひ出の詩

ぼくの心のメモリーはもういっぱいで、誰かを好きになるときに、誰かを忘れなければならなくて、だからぼくはもう人を好きになるのを辞めてしまったのかもしれない。色褪せない思い出なんて本当は無くて、たとえば、君と見た夕日、たとえば、午後の河原の光粒、そういう大切なものを片っ端から忘れていくことが、僕は1番怖かったりする。

幸せを忘れる。愛を忘れる。朝日の眩しさを忘れる。忘れる、を忘れる。ぼくがもしそんな大人になってしまったら、遠慮なくぶん殴ってください。そうしてまた、ぼくは愛を思い出すから。もう二度と忘れないように、タンスの奥に大切にしまっておくから。

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