第6話
羊。そして彼女と娘。
なんであのとき自分も死んでしまわなかったのだろう?簡単にできたはずだ。キッチンには包丁もあったし、コンロもあったし、丈夫な紐もあった。
でも死ねなかった。
死ななかった。私は死ななかった。もっと言えば死にたくなかった。
確かに、二人の眠った姿を見て死にたいと思った。でもそれだけではないなにかがそこにはあった。それがなにかはわからないが確かにはっきりと明確にそこにはあった。しかしやはりわからなかった。
なんだろう?
羊。
短い足の羊。
毎日朝6時決まった時間に起床。
最低限の食料が与えられた。皆がみな、同じように死ぬまでここにいる者、死刑を待つ者ばかりだった。中にはとても犯罪なんて犯しそうではない人もいた。一体何をしてここに来たんだろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます