20 初体験

 僕のイメージする須藤真由美ちゃんは。


 明るく、清楚で、爽やかな美少女。


 そんな彼女が……


「翔太くん……お願いだから、早く私を翔太くんだけの物にして?」


 正直、よく鼻血を出さなかったと思う。


 そのセリフだけを録音して、何度でもリピートしたい。


 って、僕は変態かよ。


「ま、真由美ちゃん……いつの間に、そんな物を……」


「コンビニで買ったの……」


「わぉ……」


 店員は男性だった? 女性だった?


 そう聞きたいけど、聞けない。


 と言うか、今はそんな下らないことを考えている場合じゃない。


「ほ、本当に良いの?」


「うん……翔太くんとしたいの」


「ぶはッ、かわいい……」


 つい、本音が漏れてしまう。


 真由美ちゃんがエッチな箱を持ったまま、僕に近寄って来た。


 その箱をスッと下ろすと、可愛らしい唇が見えた。


 きれいな目で僕のことを見つめて来る。


 僕はその引力に惹かれて……キスをした。


 場の雰囲気のせいもあってか、いつもより濃厚に。


 そして、あろうことか、キスをしながら真由美ちゃんをベッドに押し倒した。


「……ごめん、大丈夫?」


「……うん、平気だよ」


 そう言ってくれる彼女が可愛くて、また抱き締めながらキスをした。


「あっ……可愛い」


 服を脱いだ真由美ちゃんのブラを見て、僕は言う。


「は、恥ずかしい……私、お姉ちゃんみたいに大きくないから」


「可愛いよ、真由美ちゃん」


 僕は優しく、真由美ちゃんのおっぱいに触れる。


「あっ……」


 目を閉じて感じる彼女がエッチだ。


 僕はキスをしながら胸を揉む。


「……翔太くん、今度は私がしてあげたい」


「えっ?」


「ズボン、脱いで」


「なっ……」


 それからは、たどたどしくも、愛に満ちた時間だった。


「翔太くん、痛くない?」


「あ、うん。平気だよ」


「じゃあ、もっと強く……」


「うっ! す、すごいよ……真由美ちゃん」


 僕はまた、彼女に触れる。


「んあっ!……い、今は私がする番なの」


「ごめん……けど、一緒にしたい」


「うん……」


 それから、焦る気持ちはありつつも、ゆっくりとお互いの体の準備を整える。


 そして、ついに……


「真由美ちゃん……行くよ?」


「すごい、翔太くんの……こんなに元気」


「早く、真由美ちゃんの中に入りたいから……」


「嬉しい……来て」


「うん」


 僕はゴクリと息を呑みつつ、意を決して前に進んだ。




      ◇




 僕の腕の中で、真由美ちゃんは泣いていた。


「ごめんなさい……私のせいで」


「そんなことないよ。真由美ちゃんは悪くない」


 自分で言うのもなんだけど、僕のアレが思った以上に大きくて。


 真由美ちゃんの可憐なつぼみに入ることが許されなかったのだ。


「せっかく、大好きな翔太くんと結ばれると思ったのに……」


 僕の腕の中ですすり泣く彼女を見ていると、胸の内に熱く込み上げる想いがあった。


「……真由美ちゃん、聞いて」


「……え?」


「僕も、絶対に真由美ちゃんと一つになりたい。僕は童貞だし、痛くないように上手くすることなんて出来ない」


「翔太くん……」


「真由美ちゃんの痛みを分かち合えるとは思わない。けど、それでも……僕は真由美ちゃんとエッチがしたいんだ」


 真っ直ぐに彼女の目を見てそう言った。


「……うん、ありがとう。そう言ってくれて、嬉しい」


 真由美ちゃんは涙を拭う。


「私、次は頑張るから。痛いの我慢するから、思い切り来て」


「優しくするよ、絶対に」


「好き、翔太くん……」


「僕もだよ……」


 甘いキスは脳みそだけでなく、頑なな心と、体をほぐしてくれる。


 だから……


「……んあっ!」


 今度こそ、ちゃんと。


 真由美ちゃんと一つになれた。







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