転生猫と異世界の魔女

御上 零

序章 猫と魔女の出会い

第1話 猫への転生と魔女との出会い

私は猫が大好きだ。幼い頃から家で猫は飼っているし、よく懐かれる。彼らの可愛い仕草は私をいつでも癒してくれる。


だから、私は今の私の行動を後悔などしていない。


ーそう、これから私は死ぬのだろう。


道路に飛び出し、車に轢かれそうな子猫を見て…脳の電気信号はかつてない速さで体を巡り、気付くと私の体は光に照らされていた。


直後、鈍い音と共に視界は輝く星々を映し出していた。


ーあの猫は無事だろうか…


ただただ猫の心配をしながら、私の意識は暗闇に消えた。












──── 熱い

──── 痛い

──── 熱い

──── 痛い

──── 寒い……?


意識を取り戻した私が瞼を開くと、目に映るのは真っ赤な炎と焼けた草や木々。そこに広がるのは私の知らない光景だった。


(ここは…どこだろう…?)


確かめるにも痛みと寒気で体は全く動かない。


突然、私の視界は私の意思に関係なく上昇した。

そして…可愛らしい声が聞こえてきた。


「あぁ、可哀想に。逃げ遅れたのね。」


そこには長い髪の女の人が立っていた。


「直ぐに助けてあげるから。」


そう彼女は私に言った。

ふと、私は疑問に思った。こんな綺麗な人が軽々と女子高生は持ち上げられるものだろうか?


その疑問はすぐにどこかへと行ってしまった。彼女に抱えられたまま、どこかに連れていかれる私の視線の先にあった水たまり…。


その水面に映っていた私は……


真っ黒な猫の姿をしていたのだった。

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