レッスン1 まずは何を書きたいのか並べよう

部室にて。


先「夏までに作品を1つ、それもそれなりに長くてしっかりした物語を書かないとクビになっちゃうからね」


俺「夏の学園祭と言えば8月ですね」


先「でも、もちろん作品の批評会とか製本とかがあるから、もうちょっと早めに出さないとね。締め切りは6月末だと思うよ?」


み「早いなぁ、先輩、私まだ作品なんて書いたことないんですよ」


先「でもこのサークルに入ってきたからには、ぼんやりでもこんな話を書きたいなっていうイメージがあるのよね?」


マ「あります! 先輩!」


俺(うるせえ……体育会系の返事っていつも気合入れてるやつだろ。こわー)


先「返事はもう少し音量下げてね……結構響くから」


マ「すみません!」


み「言うこと聞けよー」


先「さて、じゃあさっそく、君たちには一枚の白紙を渡します」


俺「白紙? 何をするんですか?」


先「もちろん創作だよ。私なんかはノートにやってるけど、今回はお試しで紙に書くの」


み「何を書けば……?」


先「書きたいお話のイメージは言語化してしっかりと記す。自分で言葉にできないことを小説にするのは無理だからね」


俺「確かに。言われてみればそうだな」



こと先輩のレクチャーパート!


レッスン1 「自分の書きたいことを書き並べよう」


みかんの例


み「私、戦う女の子の話を書きたいんです!」


俺「珍しいな……、てっきり日常ほのぼの系か恋愛ものを書くのかとばかり」


み「だって、私納得できないの。女の子はヒロインで、主人公に惹かれいくみたいな展開が多くて」


俺「そんなことないんじゃ。だって少女漫画とかだと結構……」


み「だめ。足りない。もっと戦う主人公、ヒーロー系女の子を増やしたい! もっと私が恋しちゃうような何なら可愛さ0でもいいから格好いい感じの。何なら男主人公でやりがちなハーレムもの、あ、もちろん男を侍らせるわけじゃなくて、女の子がときめいちゃっていい感じの――」


俺(……ん? みかんの様子がおかしいぞ……?)


先「いいわねそれ。自分の見たいジャストミートを自給自足するのは大事なことよ。書くモチベーションを保つのにもね。それじゃあまずは、その『戦う女の子』ていうテーマを中心に考えましょうか。初回だから今回はみんなでみんなのネタ出し、やっていきましょう?」


白紙メモ①

*************************


(書きたいのは?)

・戦う女の子


*************************



先「私はこうやって、一問一答型で書くわね」


み「……これじゃあ、漠然としすぎ?」


先「いいの。最初は抽象的でも書きたいことをたくさん出すことが大切よ。でももちろん小説は物語だから、話の展開やゴールの設定が必要ね。特にラストにどんな光景を見たいかを考えてみるのがいいんじゃないかしら」


み「ラストというのは、自分が書きたいことのゴールですか?」


先「その通り! 小説を1から作ろうと思ったら、舞台設定、キャラクター、ストーリーの3要素が必要よ。『○○○な世界で○○○が○○○を成し遂げる物語』、この○○○の部分が埋まればどんなお話になるか方針が決まるね。まずはそこを目指してみるといいんじゃないかな」


マ「でも、急に考えようとしても難しいぞ、ググれば出てこないか?」


先「それはマッスル君。さすがに自分で考えるべきね。みかんちゃん、とにかく考えてごらん。自分がこんな話を書きたいって。特に舞台設定、キャラクター、ストーリーのいずれかに関連することが出るといいわね」


み「うーん」


白紙メモ②

*************************


(書きたいのは?)

・戦う女の子:キャラ

・お姫様を救うヒーロー的なことをする:ストーリー

・ならお姫様も:キャラ

・和風がいいな:舞台設定

・でも古臭い感じは嫌:舞台設定

・敵はイケメン。ぶっ○す!:キャラ


*************************


俺(なんか最後恐ろしいこと書いてあったけどぉ……?)


先「いいね。特に最後の具体的に何をするかが書かれていると、後がとても楽になるよ。考えておくのが大切ね。そして自分の考えを深めるためには、しっかりとどこかに自分の考えを記して、そこから考えを広げていくことが大切ね」


み「でも今はこれしか書けない。これじゃまだ全然」


先「最初から全部思いつくならそれこそすぐに書けるじゃない。ここから先は考えを深めていく番だよ」


み「そうなんですか?」



(レッスン2、考えを深めように続く)

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