神様だけど異世界救ってきます!

indigo

プロローグ


「え?」


「だーかーらー君が異世界を救ってきてね」


そこはまさに神々の楽園と言うに相応しい

場所。

そんな神聖な場所で今2人の神がその場には

相応しくない会話を繰り広げていた。


「あの、先輩ちょっと言ってる意味がわかりません」


戸惑っている方の神は云わば日本を司る神

その見た目は100人が100人振り替える程の美貌を持つ男神である。

しかしそんな彼は現在進行形で頭の処理が

追い付かない様で、いやこの場合理解したくなくて現実逃避と言うべきか、とにかく困っていた。


「あんたねぇ何回同じ話をさせるのよ」


そう言って何回も同じ事を言うのにイライラし始めたもう一方の神こちらも100人が100人振り替える程の美貌を持つ女神である。

因みに此方は創造の神である。

何故、彼女が何回も同じ言葉を言う事になっているか、それは少し前までに遡る。



~10分前~


今日も日本の神は仕事をしていた。

何時もの様に日本を見守りつつその日本で

死んだ人間達からその後どうするかの話をして今ではよくある異世界転生をしていた所から始まる。

因みに天国に行きたい人やまた同じ日本に

転生したい等色々とある。

もちろん罪人は直ぐに地獄行きだが。


閑話休題


「ふぅー最近はなんだか異世界行きが多いなぁ」

「確かに下界では流行っている様だし、それに俺TUEEEをしたい気持ちもまぁわからないではないけど」

「流石に限度があるでしょ」


そう言ってまるでどこぞのサラリーマンの様に背中からは哀愁が漂っていた。

そんな背中から声が聞こえてきた。


「あーいたいた」


「あれ?先輩?」


話をかけてきたのは創造の神にして彼の先輩に当たる女神である。

そうこの2人いわゆる先輩後輩の中なのである。

まぁ神々にそんな上下関係があるのか少しは

疑問だがそんなことは取り敢えず置いておくとして。


「今日はどうしたんですか?」


「いやーなんか上からの命令でね」

「君に異世界に言って魔王を倒して来いってさ」


「え?」


「何でもあんたが送った転生者の中に悪の心を持つものがいてそいつが居たらその異世界が滅んでしまうらしいのよ」


「え?」


「だからその罰としてあんたが先にその世界を救って尚且つその転生者をどうにかしなさい」


回想終わり


「いやいやなんで僕なんですか!?」

「確かに僕が原因ではありますけど普通それで神様送りますか!?」

「そもそも僕がここを離れてしまうと日本が!」


正しく彼の言う通り、彼が今している仕事を

放棄してしまえば最悪と云うか十中八九

日本は滅ぶであろう。

しかしそうはならないのがこの世界である。


「あーそれについては大丈夫よ」

「代わりの神様呼んでおくから」


「そんな!」


「それに自分で言ったじゃん原因は僕にあるって」


「いやいやそれでもですよ!」

「普通はそこで対抗の転生者を送るとかじゃないんですか!?」


「うーん私も詳しくは聞かされてないから

よくわかんないだけど、もう上が決めた事だから」


どんな所でも上からの命令には逆らえないものである。


「そんな殺生な!」


「アハハ、神が殺生とか」


「いや、何笑ってるんですか!」


「プッとにかくもう決まった事だから」


未だに笑っている目の前の女神にイラッと

きたものの今はそれどころではないと

頭を切り替える男神。


「いやーですけど僕の姿で下界に降りたら

それこそパニックになりますよ!」


そう神々が持つ神聖な気は下界の人達には

強すぎる。

しかもその見た目も有り騒がれる事は間違いないだろう。


「その辺は大丈夫よ!」

「今から貴方の神気を下界の者に気付かれないレベルに落とすし、その見た目も下界の

人間レベルに落とすから」


「いやいやいや!そんなことされたら世界なんて救えませんよ!」


事実そんなことをされたらただの人間である。


「そこも問題ないわ!」

とドヤ顔の女神。

一瞬殴ってやろうかと思ったがなんとか押さえて先に話を聞く。


「問題ないとは?」


「確かに神気はレベルを落とすとは言ってもそれは下界の者に気付かれないだけで

貴方の神パワーは健在よ!」

「それに見た目も何時ものままだと色々と

問題が起こるから様は仮の姿みたいなものよ」


「な、なるほど?」


「あ!でも神パワーは下界の者には気付かれてはいけないから気をつけてね」


「いや!それってなんか難易度が上がってないですか!?」


「はぁ?何言ってのよ、要はバレなきゃいいのよ」


それが神の言う台詞だろうか。


「えー」


・・・・・・・・・・・・・・・・


「はぁー」


「あんたも往生際が悪いわね」


「いや、誰でもこうなりますよ」

「それで何時行かないといけないですか?」


「あら?なになに、行く気になったの?」


「もう諦めましたから」

その姿はまるでリストラされたサラリーマンの様だった。


「ふーんまぁいいわ」

「それじゃあ今から送るわね」


「はいはいってちょっと待ってください!」


「なによ」


「今からですか!?」


「うん、今から」


「いや、聞いてないですよ!」


「うん、今言ったからね」


今男神の心の中でこの女神をどうやって貶めるか作戦を考えていた。


「あのこういうのはもっと早くに伝えるべきなのでは」


「いやー私もすっかり忘れてて、さっき上から急ぎで頼むって言われて」


「はぁ?」


「テヘペロ!」


「おま、ふざけんな」


「じゃあ行ってらっしゃい~!」


そう言って女神が男神を下界へと送ったのであった。


「うーんなんか悪い事したかな~」

「まぁいいか!」

「さてと仕事~仕事~」


その頃下界に落とされた男神は


「マジでふざけんなよぉぉぉぉ!!」

「あのくそ女神がぁぁぁ」


広い草原で女神に対して呪詛を吐いていた。

こうして色々と問題はあるが神様の異世界

救済生活が今始まる。

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