Santa Claus in Summer Time 〜真夏のサンタクロース〜

廣木烏里

プロローグ


 夏休みの図書館で、一冊の本を見つけた。

それは不思議な本だった。


 本の題名は『真夏のサンタクロース』。


 2018年に出版された、見たことのない海外小説だ。


 表紙を開いてみると、こんな文章が書かれていた。



  

          ♢




 これは、読む人によって結末が変わる不思議な物語


 この本を読む前に、1つだけルールがある



    “結末を誰にもバラさないこと”



 それだけは必ず約束してほしい



  

          ♢




 私は少しためらったが、もう一枚ページをめくってみた。


「注記:この本には《赤の物語》と《緑の物語》がある。

 この2つの物語は、全く同じシチュエーションで、全く異なる結末を迎えるだろう。


 選べる物語はどちらか1つだけ。

     

《赤の物語》を選ぶのか、《緑の物語》を選ぶのか、それはあなたの自由。


 どちらを選ぶかで、物語の真実が変わって見えてくるはず。


 チャンスは一度きり。

 さあ、準備はいいかい?」




「なんだこの本?」


私はそう思いながらも、読み進めてみることにした。




 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 ※《赤の物語》を選ぶ方は、そのまま次へ

 ※《緑の物語》を選ぶ方は、

   一度目次に戻り、《緑の物語》へ

 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜




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