偽りの星灯火(ほしともしび)

登場人物紹介

▼島谷（しまたに）伊緒（いお）：９月９日生　

　本作の主人公。

　登場人物中で二番目に背が高い。

　名前は旧世界太陽系第六惑星木星の第一衛星イオ(Io)から。

　活力に溢れ明朗闊達（めいろうかったつ）。非常にポジティブ。少し子供っぽい。性欲は強い方。

　活動的なので服装もそれに合わせパンツか短いスカートにスパッツやタイツ。髪はボーイッシュベリーショート。平熱は低く三十六．二℃。

　スポーツは現代、クラシックを問わず大好きで運動神経も良い。特にハンドボールとバレーボール、Ｇボウルが得意。その一方でかなりの音痴。

　自転車弄（いじ）りも好きなのだが、パーツを買うお金がなく買い物用自転車をベースに手を加える程度。

　勉強は大の苦手で学年最下位クラスをうろうろしている。

　学校や学業に関係する事では時間にルーズで遅刻も多い。好きなことについてなら時間に正確どころか三十分前集合さえいとわない。

　基本的に人を疑う事を知らない。マイペースなため人付き合いは少し苦手で孤独になる事もあるが本人はあまり気にしていない。

　少しぼんやりしているようにも見え、呑気、とろい、おめでたいなどと評されることがあり、実際時にとんでもない天然ボケを発揮する。

　中学から付き合いがある彩希と由花が一番の親友。

　早くに母に死なれた父子家庭で家事の多くを伊緒がこなしている。お弁当作りもその一つ。祖母から教わった卵焼きが少しだけ得意。

　父親は高齢の域外作業員で収入は少ない。母親は父より相当若く、しかもかなりの美人だったが病により早逝する。

　大変な食いしん坊で、ファストフード店のレオナルディにある一番人気メニュー、パワフルトリプルバーガー（厚焼きパテ三枚に厚切りベーコン二枚とダブルチーズ）が好き。ファミリーレストランのアクィラも好き。

　公立鴎翼高校の生徒で、高校二年生のクラス替え時にアンドロイド女子高生の矢木澤シリルと運命的な出会いをする。

▼矢木澤（やぎさわ）シリル：10月21日納品

　登場人物中で最も背が高い。

　登録呼称であるシリルの名前は英仏語圏の男性名"Cyril”から来ている。ギリシャ語由来で「威厳のある」を意味する。

　アンドロイドとしての正式な名称はAF - 705シリアルナンバーN523J8975HR、登録呼称矢木澤シリル。さる事情で矢木澤弦造が購入した。性欲はない。手数料、オプション、周辺機器等込みでの購入額56,013,750円(税抜47,875,000円)(物品税17％)。

　アンドロイドであるにもかかわらず、公立鴎翼高校へ通う。高校では人間を拒絶する冷たく無機質な態度をとり続けていた。そのため全ての生徒から疎（うと）ましがられていた。高二のクラス替え時に島谷伊緒と出会い、様々な出来事に見舞われる。

▼彩希（さき）：11月25日生　

　伊緒の同級生。耳掛けショートで背が高く少し日焼けをしていて一見すると男子と思われかねないが、ちゃんと見ればなかなかの美少女。といっても少しよれたブレザーやブラウスにしわの寄った短いスカート、といった彼女の姿に、周りの人はだらしないとの印象を持っている。

　学業は常に伊緒とどちらが低い得点か争うほど絶望的だが、一向に意に介していない。声が大きい上に少し悪ふざけが過ぎるので、由花から煙たがられる時がある。のんびりした性格でへらへらしていると受け止められることも少なくない。

　中学の頃から馬の合う伊緒に対し友達のように振る舞う。

▼由花（ゆか）：７月６日生

　伊緒の同級生。彩希より少し背が低く童顔なので子供っぽい可愛さがある。伊緒や彩希とショッピングに行った際、伊緒から似合うと言われて買ったピンクのカーディガンがお気に入り。前髪ありセミロングストレート。身なりはいつもきちんとしていて、スカートだって伊緒や彩希のような、はしたない短さになんて絶対しない。

　伊緒の周囲にいる人々の中では最も運動神経が低い。逆に成績はかなり良い方。

　可愛らしい外見に似合わず性格はきつめで怒りっぽい。

　中学の頃からやたらと伊緒にまとわりついている。

▼荻嶋（おぎしま）希美代（きみよ）：12月30日生。

　伊緒やシリルと同学年の2年H組。アンドロイド販売台数最大手Kreuzstern（クルツシュテン）社の幹部技師TOPの一人娘で超大金持ち。登場人物の中で一番のおチビさん。ごく普通の高校生風ミディアムボブだが髪質はぱさぱさ。身だしなみはきちんとしている。大きな目をぎょろつかせ、不機嫌な顔か不遜な顔をしていることが多く、笑う時も皮肉っぽい嫌な笑みになる。その一方で機嫌の良い時は別人のよう朗らかにになり、性格も本質的には誠実で義理堅く真面目。「どういうことよそれ！」と口走ることが多い。ある目的をもって伊緒とシリルの秘密を盾に取引を持ち掛ける。

▼矢木澤弦造（げんぞう）：1月13日生

　とある理由により矢木澤シリルを購入した人物。五十と少々過ぎた年齢。氷のように冷たい雰囲気を持った人物で、そばを通っただけで背筋が寒くなるほど。細面で細い眼鏡の向こう側の灰色の眼もぞっとするほど恐ろしい。

　シリルに対し、その酷薄（こくはく）な性格そのものに冷たい言葉を投げつける。同時に何やらシリルについて密かに調べている素振りも見受けられる。

▼矢木澤ハル：4月27日生

　矢木澤弦造の妻。40代後半の穏やかな女性。とある事情で心を病み苦しんでいる。そのせいでシリルに対し混乱した感覚を抱いている。

▼五十畑（いそはた）：

　アンドロイド販売台数二番目の大手で、シリルを製造したRevelation（レベレイション）社の社員。アラサー独身。肩までの濃い栗色の髪で、びしっとしたスーツを着ていることが多い。入社式では大言壮語をぶち上げ社内を騒然とさせた。本来は脳機能の担当部署に入りたかったのだがなかなか果たせず焦っている。

　何事もてきぱきとこなし、仕事もかなりできる。この年齢にしては高いポストについている。

　何が原因なのかは分からないが、アンドロイドとその感情プログラムのバグについて非常に複雑な感情を抱いている。

　中途採用の宮木とは中学高校と同じ学校だった。会社で再会して以来そのままずるずると腐れ縁的に交流をしていく。宮木よりほんの少し背が高い。

▼宮木（みやき）：

　五十畑が勤務するRevelation（レベレイション）社に中途採用された。それ以前の職歴について口を開いたことはない。

　丸っこい眼鏡をかけていて、腰まである艶（つや）のある黒髪を首元あたりで無造作に束ねている。くたびれたパンツスーツを着ていることが多い。仕事熱心とは程遠い印象を受ける。

　冷めて疲れた目をしていて、脳機能の問題について悲観的な発言をし五十畑を苛立たせる。中学高校時代、同じ学年だった五十畑と再会後は、五十畑を連れ回して一人で勝手に潰れてしまう日々。五十畑よりほんの少し背が低い。

　同性婚をしており二人の子供がいるが、家庭を顧みないため妻から離婚を迫られている。

2020年9月21日　加筆修正をしました。

2021年3月6日　誤字を訂正しました。