第十四話 突然の出現!?

四月十九日木曜日 警視庁機動課棟


「あ、姐さんなんか分かった?」

 ラットさんの言葉に御笠博士は首を振った。夜中に電話で叩き起こされて眼の下にはクマが出来ている。一目見て不機嫌だとわかる顔だった。

「まさか機動課工場を狙って来るとはネ……」

 ラビットさんの片言に、アメリカとのハーフのバードさんが問う。

「何が盗まれたんです?」

 答えたのは頭脳班きっての才媛であるシープさんだった。

「バイオフレーム、SID02の試作型ね。それと電子回路、センサー類各種、エネルギータンク等々……」

「何それ? 丸々一体作れるじゃん」

「IWS、武器類の持ち出しが防げたのは幸いだが、何もなきゃ良いなあ……って言うか始末書書くのめんどくせえ! いっそ仁に書かせるか、この際」

「姐さん、仁っちはまだ正式職員じゃないんだから……」

 ドッグさんの言葉にうがーっとなった御笠博士は、タバコのフィルターを噛み潰して苛立って見せた。機動課女子組はそれを見て、肩を竦めるばかりだった。


 通学路、流石に志藤君とお父さんを鉢合わせさせるわけにもいかず、待ち合わせをしているのが清い交際をしている私達である。いつもうっかり存在を忘れがちな仁君も一緒だから通学デート、と言うわけには行かないけれど、そこそこ話も出来るから私は満足だった。仁君からの志藤君情報とかね。

「それにしても今朝のニュースの事件、何だったんだろう」

「ああ、マネキンドール盗難だっけ?」

「うん、何に使うんだろう」

「マネキンドールってやたらリアルなのよね……人の肌みたいだし、まばたき機能もあるし。不気味の谷を通り越してるから人間みたいなのは平気なんだけど、逆に粗末にできないって言うか」

 通り過ぎようとしたのはゴミ捨て場だ。トラックが一台止まってる。作業員さんたちをチラ見にしながらそのまま避けていこうとすると――

「うわあっ」

 突然の悲鳴に私たち三人は足を止める。志藤君が素早くトラックを回り込んだ。

「なんだ、ドールか……驚かせやがって」

 そこには女の子型のマネキンドールが袋に入れられて捨てられていた。

「ひっどーい……」

「家事用AWDは処分するにも金がかかるからな……」

 そっか、AWDか。仁君とマネキンドールの話してたからついそっちかと思っちゃったけれど、メカメカしくない方が良いって言うユーザーも多いからこうしてドール型にする人も多いって聞いたことがある。大概の家では生ごみをABWに分解させて庭土にしたりしてるから、家庭用のAWDも珍しくないのだ。にしても可愛いな。ふわふわの髪は金色で、ドレスはピンク。付けられたままのリボンはレースで縁取られて、胸にはワンポイントの緑の石をしたペンダントが。故障しても工場に返却修理して欲しいぐらいに愛らしい。

「そう、だから不法投棄が多いんだよねえ」

 おじさんの困った様子に、志藤君はドールの首筋に何かを探した。

「何してるの?」

「製造IDを探している……それに買い主や製造所が書いてあるはずだ」

「あった?」

「既定の場所にはどこにもない……違法AWDかもしれないな」

「悪いけど、これ警察に届けてくんないかな」

「あ、はい」

 おじさんは助かった、と言う顔でトラックを運転していった。朝は時間勝負だから、一件一件に構ってもいられないんだろう。ひらひら手を振って、志藤君を見るとまだ一応のID探しをしていた。手首の裏や足首。しかしなんとも。

「可愛いねえ……」

 女の子としてお人形遊びに慣れ親しんできた私は、その子が本当に可愛らしくて堪らなかった。

「通学途中なんだ、早く警察に届けるぞ」

「あ、うん。でもどうやって運ぼう?」

「たいした重さじゃないからな、俺が担ごう」

 そうして志藤君が担ぎあげようとした瞬間、まるでスイッチが入るようにAWDの目がぱちりと開いた。青い眼はフランス人形もかくやの可愛らしさ。思わず見惚れる。

「あ、電源入っちゃったみたいだね」

 志藤君を見つめたまま動かないAWD。そう言えばカリス君もAWDだったな、と思い出す。戦闘用ってことはないと思うけど。

 私は屈みこんで。その子を見下ろす。

「喋れるかな? 君、なんて言うの?」

「ロッテ……」

 ロッテ。シャルロッテの愛称だったかな。確かドイツ語だ。

「喋った。ちゃんと動くんじゃん。何で捨てたんだろう?」

「君はどこで作られたの? 雇い主は?」

 仁君が柔らかい声で訊ねるけれど、ロッテちゃんは何も喋らない。

「どうやら記憶装置に異常があるようだな……?」

 ロッテちゃんの手が志藤君の制服を掴んだ。

「気に入られちゃったみたいだね、志藤君」

「お兄ちゃん……私と同じ……」

「!」

「え? 何?」

「普通家事用AWDは起動していきなり喋ったりはしないんだよね」

「ああ……お前ら先に学校に行っていろ」

「え? 志藤君は?」

「『警察』にこいつを届けて来る」

「うん、分かった……」

 訝しげにしながらも私たちの通学路はそこで分かれてしまった。


「今日志藤君来なかったね?」

「サボりじゃない?」

「まさか……」

 私は笑いながらかわして、それから志藤君もとい御笠博士の家に向かう。自動ドアが開くのを待つ瞬間もなくそこが開いて、ちょっとおののいた。すると中から出て来たのは金髪に縁の太い眼鏡を掛けた、外人さんだった。AWDは珍しくなくても外人さんは珍しい島国日本でござる。

「OH、ゴメンナサイネ! シンジ君カヒトシ君ニ用デスカ?」

 日本語はそこそこできるようでちょっと安心する。こくんっと頷くと困ったように。

「シンジ君達今イナインデスヨ……」

「あ、桂橋さん」

 後ろから声がする。仁君だ。どうやら帰って来たらしい。

「あ、ハーブ博士?」

「ヒトシ、ヒサシブリネ!」

「え? 仁君の知り合いなの? どちら様?」

「うん、スキャンティ・ハーブ博士って言って、超形状記憶合金を作った人なんだ」

「ってことは爆着スーツとかも?」

「そう、姉ちゃんとは知り合いなんだ」

「デモ不用心デスネ。鍵掛カッテナカッタデスヨ?」

「もしかして徹夜で仕事場行ってたのかな……行ってみる?」

 一も二もなく私はこくこくと頷いた。漫研の血が騒いだ、と言うことは、勿論ない。ないったらないよ? うん。


「……何でこの娘にバイオフレームが?」

「さあな……多分他の盗品も使われてるだろう」

「センサー類にエネルギータンクが反応してるねえ」

「多分工場を襲ったのがこいつ、」

「ロッテだよぅ……」

「……ロッテを作ったんだろう」

「でも何で捨てたりしたんだろ。この娘も何も記録には残ってないし」

「……マネキンドールが盗まれた事件があっただろう。同じ奴かもしれんぞ」

「ああ、それなら監視カメラがあるかもしれないね」

「あっ、ほら居た」

 仁君の声にこっちを向く三人。

「礼子、ヒサシブリネ!」

「スキャン!?」

「頼マレテタ研究、データ持ッテキタネ」

「え、もう出来たの?」

「後デ見セルネ」

「ああ、そうだね」

「ビデオの方は俺が行くから、博士と話してても良いぞ」

「あ、じゃあ頼む。仁、お前は手伝え」

「えぇ!? ……はいはい」

 相変わらずお姉さんが法律だなあ、御笠家。

 それにしても。

「わー、警察署の中って初めて……」

「そうそうくる所じゃ……ッて、何でお前ここにいる。門番はどうした」

「仁君と一緒に来たら開けてくれたよ」

 門番の意味がない、ふるふる頭を振る志藤君の腕に引っ付いて、私はその肩にぐりぐりして見せた。

「今日は学校サボって何してたの?」

 絡むようにうりうりと懐いてみると、ロッテちゃんも逆の手を掴んで頭を志藤君の肘の辺りにぐりぐりし始めた。対抗されてるような気分だけど、どうしてこの子まだここに?

「志藤君?」

「……重要参考人だ」

「か……可愛い……」

 すたすたビデオルームに向かった志藤君は、はあっとため息をついて、ロッテちゃんからやんわり自分の腕を取り返す。分別のある私の方に来なかったのは彼女として嬉しい。そうして昨日のマネキンドール盗難映像を見た。これも多分部外者が見ちゃいけないんだろうけれど、ロッテちゃんも見てるし、良いでしょ。うん。


「普段ハ柔ラカイ糸状デスガ熱ヲ加エルコトデ本来記憶サレタ形状ニモドルデスネ」

「基本は爆着スーツと同じか。原型構成時間は?」

「糸ハ冷エヤスイノデ十分ネ」

「ま、適当だね……しかしこの重量は、人間には扱えないぞ」

「志藤君専用だね……それにしてもこのフォルム……」

「日本ノアニメ見ナガラ考エマシタ。巨大ロボットガ使ッテマシタネ」

「曲刀の方が良かったな……取り敢えず試作がこれなんだな? 名前は?」

「ストリングキャリバー」

「糸の刃……ね」


四月二十日金曜日 某高校

――の放課後


「ビデオの調査終わったかなあ?」

「昨日から見続けてるしな。終わっただろ」

「じゃ、急ごっ」

「漫研は良いのか。そして今日も来る気か」


「うへぇ……いかにもオタク風だねえ……」

 ドッグさんが背筋をざわざわさせている。鼻に来るらしい、こういう人種は。嗅覚的に。

「前科ありネ。えーっと」

「アニメキャラクターに似せたAWDを違法制作販売……」

「ひぃぃぃオタクだあっキモい!」

 バードさんの検索結果に腕を掻きむしるドッグさん。一度古本屋でそういう輩と行き合ってから、体臭なんかを思い出してしまって完全に駄目らしい。モンキーさんもたまに共同浴場にぶち込んでるから、相当鼻に来るんだろう。彼女のペグは嗅覚だから。

「木田尾拓、三十五歳。D-1エリアに在住……」

「あ、シドー君」

「今来たところだ。シャルロッテは?」

「姐さんたちと一緒にメンテルーム」

「そうか。工場を襲ったのもそいつだとすると合点がいくが、パーツは何のために……」

「機械にも強いようですし、きっと何かに……」

 バードさんの言葉に、志藤君はため息を吐く。

「行けば分かるか」

 ぱしゅっと自動ドアが開くと御笠博士たちが入って来る。

「どうしたシドーちゃん?」

 途端に志藤君の腕に引っ付くロッテちゃん。

「シス萌え……」

 ほのぼのしている私とは逆に仕事モードの志藤君は博士たちに告げる。

「コソ泥を取っ捕まえに行く」

「あっそ……あたしたちは後から行くよ」

「ああ」

 そうしてD-1地区の木田尾宅に着くと、そこには険しい家が建っていた。

「うわーでっかい洋館……」

「何か……出そう」

 仁君の言葉にブルっとすると、志藤君が呆れたまなざしで私を見た。

「と言うかお前、何でいる。おそらく中は罠まみれだぞ」

「良いじゃない、ゴーゴー!」

 そう言って志藤君の手に縋りつくと、ロッテちゃんも反対の手にぎゅっとしがみつく。

「お前も待ってて良いんだぞ?」

「…………」

 ふるふるっと彼女は頭を振る。可愛い。


「警視庁機動課のSID0ナンバー……さあどの程度かな?」

 屋敷の奥の方に向かうと闘技場があった。

「闘技場?」

 仁君が素っ頓狂な声を出す。

「そうよね……ローマ張りの……」

「まるでコロッセオだな……」

 と、突然スピーカーから音がした。

「ようこそ、SID0とその仲間たち……」

「誰だ? なぜ俺の事を知っている?」

 一応極秘の存在であるSID0シリーズである。シリーズって言っても私は志藤君しか知らないし、本当に隠してるつもりなのか怪しい時もあるけれど。

「裏ネット放送で君の戦い振りを見せてもらったよ」

 多分この前の闇メカリンピックだろう。御笠博士が金に目が眩んだばっかりに。いや私も眩んだと言えないことはないけれど。たった十キロのアルミのために、随分な死闘を繰り広げてしまったものだ。しかし中継されていたとは、そっちはそっちで洗わないとダメな案件だろう。もう終わってるのかもしれないけれど。

「マネキンドール盗難と工場を襲ったのもお前か?」

「そうさ。パーツさえあれば僕にもSID0に負けない機体が作れることを見せてやろうと思ってね!」

 床から二体のAWDがリフトアップされてきた。

「あれ……盗まれたマネキンドールだ……」

 ドールにも個性を、の時代でお化粧や顔立ちがちょっとずつ違って作られてるのがマネキンドールである。私は昨日見たビデオに映っていた二体を思い出して呟いた。すると志藤君も頷く。

「ああ。だが中身は盗まれたパーツだ」

「バイオフレーム反応……」

「それじゃ志藤君と同じじゃない!」

「ちなみに武器類は盗めなかったんでオリジナルで作らせてもらったよ」

「お前……木田尾か?」

「おやもうばれてたか。やれ、アン! ドゥ!」

 二体のAWDが起動し、志藤君に襲い掛かった。私は仁君に手を引かれてそこから遠ざかる。ロッテちゃんもだ。

「動きはそれほど早くないな……」

 一体に気を取られている隙に二体目が後ろから放電を浴びせて来る。勿論その程度では動じない。

「どうだ、アンの高密度竜巻とドゥの雷撃は!」

「何よ、志藤君とカリス君パクッただけじゃない!」

「それに、あまり破壊力もない……」

「ならばその身に何度でも受けるがいいっ」

 二体のコンビネーション攻撃は志藤君を襲うけれど、ことごとくかわされる。攻撃はかわす、けれど、自分から攻撃することもなかった。

「どうして志藤君は攻撃しないの?」

「それは……相手の姿で攻撃できないんだ」

 たとえ機械でも姿は女性型、脳が人間である志藤君にはためらいがあるのだろう。

「そう、マネキンドールの外観を選んだのもそのためだ。おかげでこっちは防御分すべてを攻撃に回せる」

 一瞬の隙を突かれ、放電攻撃を受ける志藤君。

「ぐッ……力はなくてもこうも連続で受けると……」

 再び二体同時に襲い掛かる。

「チッ、足がイカレた……」

 その時、ドゥと呼ばれた方のAWDに何かがぶつかっていった。

「ロッテちゃん!」

 ロッテちゃんの渾身の体当たりだった。

「なっお前……捨てたはずだぞ!?」

「どういう事だ?」

「三機目として作ったが追加武装の所為でバイオフレームが歪んでそうなったんだ。だから捨てた」

「ひどいっ」

 思わず叫ぶとせせら笑う木田尾の声が響いた。

「何がだ? それは人間でもなければ生きてもいない、ただのガラクタだ」

「こう言うのだって人気あるのよ!?」

「何の話ですか」

 仁君に突っ込まれながら鞄をぎゅっと抱きしめる、中に入ってるのはローゼンメイデンだった。

「まあいい……ガラクタを処分しろ、アン!」

 アンの竜巻がロッテちゃんの胸を突く。そのまま壁に飛ばされたロッテちゃんは動かなくなった。

「シャルロッテ! ……貴様!」

「何を熱くなっている? お前も同じ所に送ってやるよ、やれっ!」

 ドゥの電撃が志藤君に襲い掛かる。思わず私も志藤君も仁君すらも目を閉じたけれど、そこからは何の破壊音もしなかった。うっすら目を開けてみると、そこには知らない女の人が立っていた。

「好き勝手やってくれるじゃない?」

 手の中の火球に攻撃を吸い込ませていくその姿に、志藤君もぽかんとしている。背中から生えた何らかのユニットが特徴的な、お姉さんだった。見掛けは。

「大丈夫? 兄さま……」

「お前……シャルロッテか?」

「今はどちらかと言うとシャロンね……」

 そのままアンを突き飛ばしたロッテちゃん――シャロン。

「な、元の姿に!?」

「バイオフレームは特殊な金属フレーム、成長すれば逆もある……」

「ゲッター線みたいなもん?」

「うん、まだその原因は解ってないけれどね」

 さすが御笠博士の弟だ、ゲッター線が自然に通じる。

「うふふ。このシャルロッテ・トーラ様においたなんて……いけない子ね?」

「うわあキャラが……」

 引いた瞬間突然闘技場の壁をぶち抜いて見慣れたトレーラーが入って来た。

「お待たせシドーちゃん、ストリングキャリバーの準備が出来たから射出する……って、どうなってんの?」

「あ、良いから射出しちゃって、姉ちゃん」

「そお?」

 高速で回転しながら飛び出した『それ』はシャロンの手に渡った。

 『それ』はまるで、鎌のようだった。

「あれが……ストリングキャリバー」

「でもなんか邪悪そうね……新武器にしては」

「このフォルム……好きかも」

「何をやってる、奴を倒せ! アン! ドゥ!」

 シャロンに襲い掛かる二体……でも。

「悪いけど私は手加減しなくってよ、お姉さま方!」

 一気に鎌を横に振り、ドゥを真っ二つにした。

 竜巻を出しながら襲って来るアンの顔の前に、シャロンは手をかざす。

「今の私、火傷じゃすまないわよ?」

 シャロンの高熱化した掌が爆発を起こす。アンの頭が吹っ飛んだ。

「な、馬鹿な……くっ」

 シャロンは壁に向かってストリングキャリバーを投げた。壁にブッ刺さる鎌。その裏では木田尾が間一髪のところで泡を吹き、失神していた。


「記録によるとトーラ……シャルロッテはあまりにSID0のデータを模造しすぎたんで、限りなく人間に近い思考が身に着いたらしいんだ」

「つまり、意思を持ったってこと?」

「うん……それで廃棄されたらしい」

「メイドに自我は必要なしか……」

 見慣れた機動課のトレーラーの隣では、博士たちと志藤君が話している。

「はぁ……これがあの娘……」

「OH! ハニーフラッシュデスネ!」

「でもどうしよう、とりあえず中の部品はともかく外身は盗品だし……」

「バラして返すのか?」

「うーん……いや、証拠品として機動課が預かる」

「ふぅ……そうか」

「私はこのまま兄さまといられるのね」

「ああ」

「私、兄さまのためならなんだってしちゃうわ」

 ロリからいきなり大人に変身したシャロン。さすがにその体勢での甘えっぷりは癇に障る。邪気を帯びた視線と自覚しながら二人を睨むと、志藤君の方がぞっとしたようだった。

「悪寒っ……」

「……ねぇ兄さま、あんなチンチクリンより私の方が良いでしょ?」

「なっチンチクリン!?」

「いろいろサービスしてあ・げ……」

 志藤君を押し倒した瞬間、毒電波を最大にして送り付ける。と、ぽふっと蒸気を出してシャロンはロッテちゃんに戻った。

「ふぇ? ここどこ?」

 良い感じに記憶も飛んでいるらしい。

「ところでいきなり壁にトレーラー突っ込ますな。もしそこにいたのが俺だったらどうするつもりだったんだ」

「いやあ、くしゃみしたらアクセル踏み込んじゃって」

「交通事故じゃないですか!?」

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