第58話 私と天使(妹)の過去②





「お姉ちゃんおかえりなさい!」


私が家に帰ると妹が出迎えてくれた。妹の背後には白人系の美少女が立っていて私は一眼見てこの子が例の子か。と理解した。


「いらっしゃい。最近、妹と仲良くしてくれてるんだってね。ありがとう。これからも仲良くしてあげてね」


私が笑顔で語りかけると女の子は笑顔でコクコクと頷いた。その仕草がとてもかわいらしかったのと、田舎ではあまりみない外国人とのハーフの女の子という特徴もあり、あの日のことはよく覚えている。




「今日もあの子来てたんだね〜みゆと、イーニアちゃんだっけ?本当に仲良くなったよね」


ハーフでとても可愛らしい女の子、イーニアちゃんを妹が家によく連れてきて一緒に遊ぶようになってから1ヶ月近く経つ。最初は、ハーフという特徴からか、クラスに上手く馴染めていなかったイーニアちゃんをクラスに馴染めるようにしてほしい。という教師からのお願いだったのだが、今ではそんなこと関係なしに妹はイーニアちゃんと仲がいい。


「うん!最近いーちゃんもクラスに上手く馴染めてきててすごくいい感じなの」

「そっかそっか、それはよかったねぇ」


お風呂上がりの妹の髪を乾かしながらイーニアちゃん(妹はいーちゃんと呼んでいる)の話を聞かされるのが日課になっていた。最初の頃はあまり話してくれない。と嘆いていたが、今では本当に楽しそうにいろいろ話してくれるので、私も聞いていてすごく幸せな気持ちになれる。


「明日はいーちゃんとお買い物に行くんだぁ」

「そうなんだ。いいなぁ…私、みゆと最近出かけたりしてないのに…」

「お姉ちゃんとも今度お出かけしてあげる」


今では妹と私はお互いに同じくらいべったりしているのだが、この頃は私が妹にべったりで妹は私に普通に懐いてくれていたものの、今ほどではなかった。




「あまり夜遅くならないようにね」

「はーい」


翌日、妹は笑顔で家を出た。私は妹に手を振って見送ったが、この時、私が妹を止めていれば妹は今みたいにならなかったかもしれない。と今でも思う。





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