第7話〜過去〜中学3年生の夏《その2》
3年コンクールメンバーの話し合いがあった後から練習の雰囲気が変わった。
諦めの色が消えたメンバーが何人かいた。
パーカッションパートにもおり、パート練習での練習がやりにくくなった。
合奏練習では上達が見えるもののなぜか不安なことがどんどん増えていった。
コンクール当日。
あとは今までやってきたことを出すだけ。
自分のできることを精一杯やるだけ。
そう思ってステージに上がった。
マーチはいつも通り軽やかに始まった。
あとは自由曲だけ。
でもそこで違和感を感じた。
いつもより管楽器の音が小さかった。
その段階で私たちパーカッションパートは管楽器の音量に合わせるために音を小さくすればよかった。
だけど私はしなかった。
私たちが音量を小さくすれば管楽器はさらに小さくなると思ったからだ。
コンクールの結果はもちろん銀賞。
講評用紙には打楽器の音量が大きいと書かれていた。
顧問の先生にはパーカッションのせいじゃないと言われた。
だけどパーカッションのメンバーはみんな
あの時の音量調節をやっていればと後悔した。
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