第101話対話

「私は、、、ディーン殿下を信じる。だが、ディスタ殿、この内戦は殿下は望んでおらん。すべてはパラメクルス宰相の、、、せいだと思う」


「貴様、ディーン殿下の忠臣であるパラメクルス宰相を疑うのか!」


「ルシオ卿、考えてみろ。ディーン殿下の隣には何時も奴がいた。奴が殿下の言葉と言った物は全ては奴の言葉なのではないか?」


「確かに、ならば全責任はパラメクルス宰相に行くのか!」


目の前で、内戦の責任を宰相に向ける貴族。凄いのは、それを真顔で言っていることさ。

でもね、君達の罪が消えるわけでもないし、内戦を引き起こした王太子殿下の罪が消える訳でもない。一人は若い貴族、彼は本気で王太子を信じているんだろう。もう一人は肥えた豚だね。打算と目先の利益で内戦に参加したような、そんな愚か者だと思う。まぁ、人を見た目で判断すべきでは無いしね。


「さて、捕虜にした貴方達に情報提供して欲しいんだけど」


「なに?それが私にいぃぃい!」


「ごめん、煩わせないで。次は電撃と一緒に足を落とすよ?豚人間さん」


「解った!解った!ルシオ卿、逆らわない方が良いだろう。落ち着きたまへ」


「黙れ!たかが男爵風情が侯爵である私に意見すると言うか!」


はぇ、プライドの塊で肥えた豚か。まったく、煩くしないでと言ったのに。


「はい、右足もらうよ」


「ぎゃァァァァァァ!!」


「ルシオ卿!」


多分、打算的な考えを込めてもこの若い貴族の方が頭は回るんだろうね。謀略とか得意そうだ。


「ルシオ卿だっけ、貴方も不憫だよね。そこの男爵の口車に今まで乗せられて来たんじゃない。痛みの中でよく考えて、君の隣には何時も彼がいなかった?」


痛みの中でと言いながらだけど、僕は雷撃で擬似的な麻酔を行った。痛みは電気信号で体を駆け巡り脳で痛みと判別される。なら、変わりの電撃を送って痛みを麻痺させれば良い、まぁ血は流れ出るけどね。


「貴様か!貴様が私を売ったのか!」


「なっ!違うルシオ卿、私は!貴様!下手に出ていればルシオ卿にふざけたことを!」


「そうかなー、実はね。領地持ちの男爵でもさ、そこまで大層な服持てないんだよ。ルシオ卿、彼は貴方から幾ばくかの金、横領してたんじゃないの?」


「貴様ァァァ!」


「ぐっぐるじぃ」


凄いのはこの豚さんだよね。もう死んでも良いほどの血が流れ出てるのに、若い貴族様に馬乗りして首を絞めているんだ。執念かな?


「貴様!貴様!工場長に抜擢してやりながらお前は!」


「そこまで」


パン!


「ひぃぁぁ」


豚さんの頭を片手銃で撃ち抜く。貫通して若い貴族様の頬を掠めたみたいだけど、関係ないね。


「さて、貴方が工場長だったんだ」


「ひぃぁぁぁ、、、たす、、助けてくれ」


ここまで怖がる必要あるかな。バロに任せたら一瞬で拷問ルートに直行だよ。僕の方が優しいのに。


「工場長さん、空調設備は何処にあるのかな、教えてくれない?」


「地下2階のG5区画にある。地下工場の空調は全てそこで管理してる!だから助けてくれ!」


「OK、女性騎士の方々。外の戦闘は終わってると思うから。この捕虜、運んどいて」


「ディスタ殿は?」


「バロから催涙ガス貰ったから空調設備で地下にぶわっとしてくる」


「はぁ、、程々にお願いします」


僕はガスをばら蒔きに空調管理室に向かった。


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